ブログ内検索

2015年11月25日水曜日

高尿酸血症の治療適応

高尿酸血症治療適応は, 国内と海外では大きく異なる.

ACR 2012ガイドラインでは, 以下を満たす高尿酸血症を治療適応としている
・身体所見, 画像所見で痛風結節を認める
・1年間で2回以上の痛風発作を認める
・Stage 3以上のCKD, もしくはStage 2で腎の器質的障害が認められる場合
・尿路結石の既往がある


・治療薬は, 第一選択薬はアロプリノールかフェブキソスタットであり, それが耐えられない場合はプロベネシドを用いる。
・血清尿酸値の目標値は<6mg/dLとするが, 痛風の症状が残存していれば<5mg/dLまで下げることで改善する可能性はある
(Curr Opin Rheumatol 2014, 26:152 – 161)


日本国内のガイドラインでは,
 無症候性でもUA≥9mg/dLとなる場合, 
 高血圧など合併症がある群ではさらに低値(≥8mg/dL)で治療が推奨されている.
(Nucleosides, Nucleotides and Nucleic Acids, 30:1018–1029, 2011)

無症候性の患者に対する尿酸降下薬の使用の利点, 欠点については未だ調査されていないため, 結論は得ていない.
・2014年の時点でStudyは3つのみ. そのメタでも発作や腎不全の増悪については有意差なし.
(J Rheumatol Suppl. 2014 Sep;92:70-4.)

--------------
繰り返す痛風発作や尿路結石(尿酸結石)において, 治療適応となるのはまあ納得できる.
では腎不全や無症候性患者ではどうなのか?

そもそも, 尿酸効果薬で使用されるアロプリノールは副作用も多い薬剤として有名である.

・国内におけるDIHSの原因薬剤としてアロプリノールは2番目に多い薬剤.
・台湾での報告では, アロプリノールによる
 過敏症候群の頻度は新規使用者1000例あたり4.68
 過敏症候群による入院は2.02/1000
 死亡リスクは0.39/1000の頻度. 

・DIHSのリスク因子は
  女性, 
  60歳以上, 
  初回投与量>100mg/d, 
  腎疾患, 
  心血管疾患, 
  無症候性の高尿酸血症の治療としての使用
・無症候性, 腎疾患, 心血管疾患患者へのアロプリノールの使用は
 DIHSリスク OR1.61[1.33-1.94]
 死亡リスク OR 5.59[2.61-11.94](腎疾患), 3.57[2.31-5.51](心血管)と上昇する.
( 2015 Sep;175(9):1550-7.)

従って, 使用には注意しなくてはならない.

慢性腎不全患者に対するアロプリノール, フェブキソスタットのRCT

eGFR<60mL/min/1.73m2の113例を対象としたRCT.
アロプリノール 100mg/d vs Placeboに割つけ, 心血管イベント, 腎不全増悪(末期腎不全)をアウトカムとして両者を比較 
・基礎のUA値は7.3±1.6(コントロール群)、7.8±2.1
アウトカム: 
・84ヶ月[54-84]のフォローにおいて, UA値は7.8±2.1 vs 6.6±1.5mg/dLと有意に低下.
・eGFR低下値は 13.3±5.0 vs 6.5±1.6とアロプリノールで緩徐に. 
・心血管リスクは HR 0.43[0.21-0.88]と有意にリスクは低下する結果.
腎不全患者ではアロプリノールは有意に予後を改善させる
(Am J Kidney Dis. 65(4):543-549.)

18-65歳のStage 3-4のCKD患者で無症候性の高UA血症がある93例を対象とした単一施設DB-RCT
・高尿酸血症の定義はUA≥7mg/dL
・Febuxostat 40mg/d vs Placeboに割り付け, 6ヶ月継続し, eGFRの変動を評価.
母集団データ
アウトカム
Placebo群ではeGFR低下している一方, Febuxostat群では6ヶ月後のeGFRは上昇している
・eGFRが上昇したのはFebuxostat群で47%. ≥10%の低下を認めたのは38%
 Placebo群では上昇は23%,  ≥10%の低下を認めたのは54%と有意差あり.
(Am J Kidney Dis. 2015;66(6):945-950.)


アロプリノールもフェブキソスタット双方とも尿酸産生抑制薬.
・アロプリノールは100mgで24.6円/日
・フェブキソスタット10mgで32円, 40mg使用すると128円/日. 

双方のRCTとも小規模ではあるが, eGFR<60の腎不全で高尿酸血症があるならば考慮してもよいのであろう. 副作用には注意.
無症候性で腎機能が正常な患者で使用する必要はないと思う.

0 件のコメント:

コメントを投稿