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2015年11月17日火曜日

ヘルペス脳炎後の自己免疫性脳炎

HSV脳炎後 自己免疫性脳炎
(Neurology® 2015;85:1736–1743)

HSV脳炎は通常 増悪し、改善すればそれで終わる経過であるが,
HSV脳炎患者でCSFからウイルスが消失し, 治療が終了した数週間後に再度脳炎を生じることがある.

この場合, 自己免疫による機序が考えられており, それらの患者の多くでNMDA受容体のGluN1サブユニットに対する自己抗体が検出される.

これをHSV脳炎後自己免疫性脳炎と呼ぶ.
主に小児例での報告が多く, 小児では舞踏病様アテトーゼと呼ばれる症状が出現するため, HSV脳炎後舞踏様アテトーゼと呼ばれることもある.

HSV脳炎後の非ウイルス性再発例 14例の前向きStudy.
(全例でCSF HSV PCRは陰性.)
・2013年~2015年に上記診断された14例中, 8例が10歳台〜成人症例.
・10台〜成人症例では, 年齢中央値 40歳[13-69], 男性例が5/8
・小児例では年齢は13ヶ月[6-20]

・発症時期はHSV脳炎発症から12-51日目(中央値39日[26-43])で発症
 小児例では27日[17-40]

・10台〜成人例における症状は急性脳炎様が3例, 精神行動異常が7例. 1例が難治性てんかん発作であった.

・8例中5例にNMDA受容体抗体が陽性(CSF(5), 血清(2))となり, 3例は未知のneuronal cell surfaceタンパクに対する抗体が認められた(CSF(3), 血清(1))

・MRI検査では新規病変が5/6で認められる

・免疫抑制療法を行った7例では前例が反応し, 症状の改善あり.

10台〜成人例と小児例と比較すると, 
・舞踏病アテトーゼが成人例ではない(0/8 vs 6/6)
・また意識レベル低下も少ない(2/8 vs 6/6)

10台〜成人例の8例

HSV脳炎で治療し, 数週間後に再増悪する場合, 
 ウイルス性脳炎の再燃以外に自己免疫機序の脳炎も考慮するべき.
ウイルスが否定的ならば免疫抑制剤が治療となる.

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