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2015年11月18日水曜日

小児の繰り返す気道感染症に対するアジスロマイシン

JAMA. 2015;314:2034-2044より

前学童期の小児の14-26%が繰り返すWheezeや気道感染症状を認め, しばしば入院や受診が必要となる

12-71ヶ月の小児で, 繰り返す重度のWheeze, 下気道感染症症状を呈する患者群を対象としたDB-RCT.
・この患者群を, 気道感染症状を認めた際
 早期にAZM 12mg/kg/d 5日間投与群 vs Placeboに割り付け
 下気道感染症のリスクを比較した.
・投与のタイミングは各患者に応じて決定

患者は過去1年以内に以下を満たす群
 1) Wheezeが>3回あり, そのうち1回以上は受診が必要
 2) >2の受診が必要なほどのWheeze
 3) ≥4ヶ月のコントローラーを使用し, >1回の受診が必要なエピソード
 (全身ステロイド投与は受診に含む.)
除外項目は, 
 >4回のステロイド使用, 
 >1回の入院, 
 >8ヶ月のコントローラーの使用, 
 2wk以内の経口ステロイド使用, 
 連日の喘息症状, 
 2wk以内に≥2回の夜間喘息症状, 
 1ヶ月以内のAbx使用歴.

母集団データ


アウトカム
・患者群は607例で, 期間中に1回以上の呼吸器感染症状を認めたのは443例(治療群 223, Placebo 220).
・AZM群は有意に下気道感染症リスクを軽減する結果.
 下気道感染症進展リスクはAZM群で5%, Placebo群で8%, HR 0.64[0.41-0.98], ARD 3%[0-6]
 4回の気道感染症エピソードの総計では, AZM群で24%, Placebo群で40%
NNTは1回の気道感染症で33, 
 2回で14, 
 3回で10, 
 4回で7
気道症状は, 下気道感染症移行例ではAZMで症状緩和される(あたりまえ)
下気道感染症非移行例ではAZMに症状緩和効果はない(あたりまえ その2)

サブ解析では
9-11月の気道感染症エピソードではAZM投与であまり利点がない?

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何の因果かWHOよりSAVE Antibiotics, SAVE Children.という運動中に発表されたRCT.
大事なのはStudyの母集団.
1年に平均4.5回も喘鳴があり,  2.5回も救急を受診し, 全体の14%が入院をしている.

自分も経験者ですが、小児が入院すると親は結構大変です。
いわゆる高リスクな小児ではこの様な対応も許容されるのかもしれない.

ただし、このStudyでは耐性菌の評価やリスクはまだされていないため, そこは注意が必要.

この知識は引き出しの奥にしまっておいて, 限定的な状況において, こんな方法もあるかも、という感じの知識でおいておきたい.