Posterior, Anterior-canal BPPVの治療: Epley法
(J Clin Neurol 2010;6:51-63)
Step1-2はDix-Hallpikeと同じ
Step2で20-30s保持
Step3: 反対側へ90度回転, 20-30s保持
Step4: さらに90度回転, 20-30s保持
Step5: 座位へ
Dix-hallpike法による診断と同時に進めることが可能な治療であり,
典型的な症例ではそのまま試すのもあり.
施行後24hrで80%が無症状, Dix-Hallpike陰性に
Sham maneuverでは10%のみ(NNT = 1.43) (J Neurol Neurosurg Psychiatr 2006;77:980-82)
Epley 開始後4Wkで61%が症状消失(Shamでは20%), NNT 2.44
Dix-Hallpike陰性は88.9% (vs 26.7%), NNT 1.60 (Otolaryngol Head Neck Surg 1995;113:712-20)
EpleyのNNT 1.43-3.7,治療後にHorizontal, Anteriorへ変化することも
Horizontal canal-BPPVの治療: Gufonii法
HC-BPPVはEpley法が無効. これがタイプを判別する大きな理由.
有名な方法はGufonii法
Gufoni maneuver(重力方向眼振, 患側; 右)
座位 ⇒ 反対側へ倒れこみ1min保持
その後地面側に45-60度頭位を回転, 2min保持
頭位はそのままで座位に戻る
反重力方向眼振の場合は患側へ倒れこみ, 天井側に頭位を回転させる (従って患側の判別が重要となる)
Geotropic HC-BPPV患者170名のRCT
Barbecue rotation vs Gufoni vs Sham maneuverに割り付け,
最大2回試行し, 1時間以内の改善率を評価.
Outcome;
BBQ
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Gufoni
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Sham
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≤1回で改善
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50.9%
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48.4%
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25.0%
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≤2回で改善
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69.1%
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60.9%
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35.4%
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BBQ法とGufoniでは6-7割が改善. 両者間で有意差無し.
両者ともにSham法よりも改善率が有意に良好.
(Neurology® 2012;79:700–707)
157名のApogeotropic HC-BPPV患者のRCT
Gufoni法 vs Head-shaking法 vs Sham法に割り付け,
最大2回施行し, 施行後1hr以内の改善率を評価.
*Head-shaking法; 頚を振ることで, 付着した耳石を落下させる方法.
座位で, 頸部を30度屈曲させた状態で3Hzで15秒頭を振る.
Outcome;
Gufoni法では73.1%が改善
Head-shaking法では62.3%が改善
Sham法では34.7%が改善を示した.
Gufoni法とHead-shaking法では効果同等であり, Sham法のみ効果が劣るという結果.
(Neurology® 2012;78:159–166)
診断, 治療までの流れ
患側の向きや, 治療方法等, 結構忘れやすいのでここでまとめておくと,
BPPVを疑ったら,
先ず仰臥位の状態で Supine roll testを.
重力方向の眼振(+) ⇒ 眼振が強い方が患側のGeotropic HC-BPPV.
⇒ 眼振が弱い方へ倒れ込むGufoni法をトライ.
反重力方向の眼振(+) ⇒ 眼振が弱い方が患側のApogeotropic.
⇒ 眼振が弱い方へ倒れ込むGufoni法をトライ.
結局Gufoni法は眼振が弱い方へ行う.
Supine roll testで陰性ならばDix-hallpikeを.
陽性ならば陽性方向が患側のPC-BPPVであり, そのままEpley法を
全て陰性ならばBPPV改善 or 他の疾患を考慮.
薬物治療
ベンゾ系(ジアゼパム, ロラゼパム)は効果なし
Flunarizine(フルナール®, Ca-ch blocker) (Laryngoscope, 114:827– 831, 2004)
Posterior canalのPBBV 156名(74yr[70-80])のRCT.
Semont法 vs Flunarizine vs 経過観察に割り付け,
無症状 + Dix-hollpikeの陰性をOutcomeとして比較.
Semont法は1wk毎に1-3回try
Flunarizineは10mg/d 眠前投与を60d継続
Outcome;
Semont法では, 1回目の施行後に44名(85%), 2回目で2名, 3回目で3名.
計94.2%がBPPV改善. 6moフォロー時の再発率は3.8%
Flunarizineでは57.7%が治療後に改善. 6mo再発率は5.8%.
経過観察群では34.6%のみ改善. 再発率も21.1%に及ぶ.
BPPV消失率はSemont > Flunarizine > Controlとなり,