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2014年4月4日金曜日

頭位変換性めまい症のReview ①: BPPV総論, 疫学, 症状

頭位変換性めまい症
 Benign Paroxysmal Positional Vertigo(BPPV)

(Neurol Neurosurg Psychiatry 2007;78:710–715)
卵形嚢からの耳石の落下 ⇒ Canalith がCupulaを刺激し, 眼振と, 回転性のめまいを自覚
大部分がPosterior canalにて起こる
Cupulolithiasis; Canalithがcupulaに癒着するタイプで治療抵抗性となる

頭位変換後, 潜伏期間を経て眩暈発症, <60sec.
頭位変換を繰り返すと症状は軽度となってくる

潜時は通常30秒程度だが, Holizontal canal-BPPVでは1分を超えることもある.
(J Clin Neurol 2010;6:51-63)

治療しても短期再発(<1Y)は7-23%に認められ, 長期再発は50%に及ぶ
めまいの持続期間と, 症状頻度
めまい発作の持続期間
%
<1wk
45.0%
1-2wk
11.2%
2-4wk
12.5%
4-12wk
18.8%
>12wk
12.5%


症状頻度
%
誘発運動
%
回転性めまい
86%
ベッドから起床
85%
動揺視
31%
横になる
74%
悪心
33%
臥位から立位
58%
嘔吐
14%
前傾する
55%
不安定
49%
頭を寝かせる
41%
BPPVによって起床
49%


転倒恐怖
36%


BPPVにより転倒
1%



他のめまい症よりもBPPVを示唆する情報 (Otol Neurotol 32:284-290, 2011.)
BPPV
OR
臥位になるときにめまいが最も強い
15.5[7.3-33.1]
頭の運動でめまいが最も強い
8.4[3.5-19.9]
前屈みでめまいが最も強い
4.1[1.2-13.7]
めまい発作の間欠期にはめまい無し
2.0[1.0-3.8]
耳の痛み, 耳漏あり
0.2[0.1-0.6]
片側の難聴増悪
0.2[0.1-0.6]
片側の耳鳴り
0.4[0.2-0.8]
男性
0.4[0.2-0.7]
20-1時間持続する
0.1[0.0-0.4]
1時間-1日持続
0.1[0.0-0.5]
1-1週間持続
0.3[0.1-0.7]


BPPVに特異的な情報として, 『臥位になる時に目眩が強い』
通常めまい症は臥位→立位, 座位となると増悪するパターンが多く, BPPVも当然そうなることが多い. 
他のめまい症でも同様で, 臥位よりも座位, 座位よりも立位の方がバランス感覚に対する入力負荷が強いため, どのめまい症も当然増悪する. 従って, 『起床時に増悪するめまい』 という情報は鑑別の役には立たない.
むしろ, 臥位時に増悪するめまい は入力負荷以外の要素の関連が示唆されるためよりBPPVを疑わせる切っ掛けとなるのは覚えておく.

疫学
中等度〜重度のめまいを訴える患者の内8%がBPPV.
生涯有病率は2.4%[1.9-3.0], 女性3.2%, 男性1.6%と女性に多い.
年間有病率は1.6%[1.3-2.1], 年間発症率は0.6%[0.4-0.9]
加齢とともに頻度は上昇し, 
 18-39yrでは年間有病率 0.5%[0.2-1.0]
 40-59yrでは1.7%[1.1-2.6], 
 >60yrでは3.4%[2.3-5.0]

BPPVのリスク因子
Factor
OR
女性
1.8[0.9-3.4]
年齢(/10yr)
1.8[1.4-2.3]
高血圧
1.9[1.0-3.6]
高脂血症
2.0[1.1-3.7]
Stroke
4.7[2.5-13.8]
Migraine
8.6[4.3-17.3]


69例のBPPVのProspective study (Otol Neurotol 33:437-443, 2012.)
 47ヶ月フォローでの再発率は27%.
 再発の半数は最初の6ヶ月で生じる.
 年齢や性別, 左右, 治療後の安静の有無は再発リスクに関連しない.
 多半規管のBPPV, AC-BPPVは再発リスクが高く, 再発までの期間も短い.
 再発の70%が別の半規管, 反対側で生じている.

BPPV① 総論
BPPV② 診断
BPPV③ 治療

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