Benign Paroxysmal Positional Vertigo(BPPV)
(Neurol Neurosurg Psychiatry 2007;78:710–715)
卵形嚢からの耳石の落下 ⇒ Canalith がCupulaを刺激し, 眼振と, 回転性のめまいを自覚
大部分がPosterior canalにて起こる
Cupulolithiasis; Canalithがcupulaに癒着するタイプで治療抵抗性となる
頭位変換後, 潜伏期間を経て眩暈発症, <60sec.
頭位変換を繰り返すと症状は軽度となってくる
潜時は通常30秒程度だが, Holizontal canal-BPPVでは1分を超えることもある.
(J Clin Neurol 2010;6:51-63)
治療しても短期再発(<1Y)は7-23%に認められ, 長期再発は50%に及ぶ
めまいの持続期間と, 症状頻度
めまい発作の持続期間
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%
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<1wk
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45.0%
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1-2wk
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11.2%
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2-4wk
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12.5%
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4-12wk
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18.8%
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>12wk
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12.5%
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症状頻度
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%
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誘発運動
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%
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回転性めまい
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86%
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ベッドから起床
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85%
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動揺視
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31%
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横になる
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74%
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悪心
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33%
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臥位から立位
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58%
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嘔吐
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14%
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前傾する
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55%
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不安定
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49%
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頭を寝かせる
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41%
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BPPVによって起床
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49%
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||
転倒恐怖
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36%
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||
BPPVにより転倒
|
1%
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他のめまい症よりもBPPVを示唆する情報 (Otol Neurotol 32:284-290, 2011.)
BPPV
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OR
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臥位になるときにめまいが最も強い
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15.5[7.3-33.1]
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頭の運動でめまいが最も強い
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8.4[3.5-19.9]
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前屈みでめまいが最も強い
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4.1[1.2-13.7]
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めまい発作の間欠期にはめまい無し
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2.0[1.0-3.8]
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耳の痛み, 耳漏あり
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0.2[0.1-0.6]
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片側の難聴増悪
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0.2[0.1-0.6]
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片側の耳鳴り
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0.4[0.2-0.8]
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男性
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0.4[0.2-0.7]
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20分-1時間持続する
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0.1[0.0-0.4]
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1時間-1日持続
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0.1[0.0-0.5]
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1日-1週間持続
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0.3[0.1-0.7]
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BPPVに特異的な情報として, 『臥位になる時に目眩が強い』
通常めまい症は臥位→立位, 座位となると増悪するパターンが多く, BPPVも当然そうなることが多い.
他のめまい症でも同様で, 臥位よりも座位, 座位よりも立位の方がバランス感覚に対する入力負荷が強いため, どのめまい症も当然増悪する. 従って, 『起床時に増悪するめまい』 という情報は鑑別の役には立たない.
むしろ, 臥位時に増悪するめまい は入力負荷以外の要素の関連が示唆されるためよりBPPVを疑わせる切っ掛けとなるのは覚えておく.
疫学
中等度〜重度のめまいを訴える患者の内8%がBPPV.生涯有病率は2.4%[1.9-3.0], 女性3.2%, 男性1.6%と女性に多い.
年間有病率は1.6%[1.3-2.1], 年間発症率は0.6%[0.4-0.9]
加齢とともに頻度は上昇し,
18-39yrでは年間有病率 0.5%[0.2-1.0]
40-59yrでは1.7%[1.1-2.6],
>60yrでは3.4%[2.3-5.0]
BPPVのリスク因子
Factor
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OR
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女性
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1.8[0.9-3.4]
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年齢(/10yr)
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1.8[1.4-2.3]
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高血圧
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1.9[1.0-3.6]
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高脂血症
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2.0[1.1-3.7]
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Stroke
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4.7[2.5-13.8]
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Migraine
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8.6[4.3-17.3]
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47ヶ月フォローでの再発率は27%.
再発の半数は最初の6ヶ月で生じる.
年齢や性別, 左右, 治療後の安静の有無は再発リスクに関連しない.
多半規管のBPPV, AC-BPPVは再発リスクが高く, 再発までの期間も短い.
再発の70%が別の半規管, 反対側で生じている.
BPPV① 総論
BPPV② 診断
BPPV③ 治療