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2014年3月5日水曜日

成人スティル病 Adult Onset Still Disease (AOSD)

成人スティル病 (AOSD)
Ann Rheum Dis 2006;65:564-72

原因不明の炎症性疾患. しばしば不明熱の原因となる
 1日1回, 1日2回のSpiking Fever, 一過性のRash, 関節炎, 多臓器症状を来すのが特徴的.
 女性での発症が男性をわずかに上回り(60%), 3/4は16-35yrでの発症.(25yr[16-65]). 27%は35yr以降の初発となる.
日本からの報告では, 67%が35yr以降の発症であり, 65-70%が女性.
 原因は不明. HLA-B17, B18, B35, DR2は発症RR 2.1-2.9との報告.
 感染症がトリガーとなる可能性も示唆されている.
 Th1 cytokine(IL2, IFNγ, TNFα)の上昇が認められており, AOSDとの関与が推測されている

AOSDの所見
各症状, 所見の頻度
 Spiking fever, Rash, Arthritis/arthralgiaが3徴.
 発熱は通常4hr以内の持続で, 1日1回 or 2回の発熱パターンをとる. 夕〜深夜の発熱が多い.
 典型的な皮疹は一過性のSalmon-pink, maculopapular eruption. 体幹や四肢の近位部に多く, 衣服に隠れていることが多い.

所見
頻度
所見
頻度
咽頭痛
35-92%
リンパ節腫脹
32-74%
筋肉痛
12-84%
皮疹
51-94%
発熱
95.7%[82-100]
脾腫
14-65%
関節炎
68-100%
胸膜炎
12-53%
関節痛
11-100%
心膜炎
10-37%

関節炎は様々; 膝, 手首, 肘, 肩, DIP, PIP, MP, 顎関節など. 対称性が多い.

関節
頻度
関節
頻度
69-82%
MCP
35-42%
手首
67-73%
MTP
11-18%
足首
38-55%
股関節
7-11%
PIP
44-47%
DIP
9-10%
29-44%
PIP
0-3%
24-40%
TMJ
3-4%

血液所見では炎症反応, 肝酵素上昇など.
 フェリチンが著明高値を示し, >=5ULNはSn 80-82%, Sp 41-46%でAOSDを示唆する所見.
骨所見は早期には認められないことが多い. 手関節, IP関節の癒合など.

AOSDのPET/CT所見 Mod Rheumatol, 2014; 24(4): 645–650
7例のAOSD患者でPET/CTを施行.
また, 7例の症例報告例のデータも合わせて評価.
 集積部位は, 骨髄 100%, 脾臓 90.9%, リンパ節 80.0%, 関節 75.0%
 骨髄はびまん性に集積し, 特に全脊椎への集積は全例で認めた.
 リンパ節もびまん性だが, 左右非対称性のこともあった.
 他に心外膜(2), 胸膜(1), 唾液腺(2), 眼瞼(1), 筋(1), 大血管(1)への集積例あり.



AOSDの診断Criteria
Yamaguchi criteria
Sn 93.5%
Cush criteria
Sn 80.6%
Fautrel criteria
Sn 80.6%, Sp 98.5%
Major
 
関節痛 >2wk
 
間欠的な39度以上の発熱 >=1wk
 
典型的な皮疹
 WBC>10000(
顆粒球>80%)
2 pt
 1
1回の発熱 >39
 
一過性の典型的なRash
 WBC>12000 + ESR>40mm/hr
 RF, ANA
陰性
 
手根骨癒合
Spiking fever>39
関節痛
一過性の紅斑
咽頭痛
PMN>=80%
Glycosylated ferritin=<20%
Minor
 
咽頭痛
 
リンパ節腫大 and/or 脾腫
 
肝酵素異常
 ANA, RF
陰性
1pt
 
発症年齢が35歳未満
 
関節炎
 
咽頭痛の前駆症状
 
網様系の浸潤 or 肝酵素異常
 
滑膜炎
 
頸部, 手根骨癒合
丘疹
WBC>10000/µL
除外; 感染, 悪性腫瘍, リウマチ疾患
Probable; 12wk観察で10pt
4 major or 3 major + 2 minor
2つ以上のMajor, 5つ満たせば診断
Definite; 6mo観察で10pt

経過, 予後
経過はパターンにより分けられる.
Self limited or monocyclic pattern; 大半が1yr以内に寛解(平均9mo)
Intermittent or polycyclic systemic pattern; 寛解後に症状を繰り返す. 全身症状が主で関節症状は強くない.
Chronic articular pattern; 関節症状が強く, 関節破壊を来す. 67%の患者が28mo[13-60]以内に関節置換を必要とする. 最も機能予後が不良なパターン.

AOSDの治療
治療はNSAID, ステロイドによる症状緩和.
NSAIDだけで病状コントロールできるのは7-15%のみ.
76-95%の患者がステロイド投与を必要とする. また, 46%がステロイドによる維持療法を必要とする.
Self limited patternでは57%, Intermittent patternでは67%, Chronic articular patternでは77%がPSL投与を必要とする.
ステロイドへの反応性が低い場合はパルス療法も考慮. 
MTX 11.5(3.6)mg/wkはSteroid sparing drug, Steroid抵抗性に対する薬剤として期待できる.
他にはIVIG, TNF阻害薬が有用との報告.

Hospices Civils de Lyon(フランス)で1998-2010年に診断した成人Still病57例の解析
Medicine 2014;93: 9199
男性27例, 女性30例. 平均年齢は36歳[16-75]. 発症〜診断まで平均4ヶ月[1-312m]であった.
経過はMonocyclicが30%, Polycyclic 44%, Chronic 26%

母集団; 経過と症状, 所見の頻度
治療選択と寛解時の治療薬
 初回はステロイドとNSAID, 2nd lineとしてMTXを用いる事が多い.
 ステロイドとMTXの併用で寛解となる例が多い.

予後因子

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