抗CCP抗体(ACPA)は関節リウマチで陽性となる抗体として有名.
Assayには第三世代まであり,
第一世代のACPA 1 assayは感度が低く, すでに用いられていない.
第二世代のACPA 2 assayは感度/特異度ともに改良されている
第三世代のACPA 3も感度/特異度は良好. さらに, ≥40は, 今後のRA発症を予測する因子にもなり得る.
ACPA 2,3 assayはIgGのみを評価するが, ACPA 3.1はIgG, IgA双方を評価する.
参考(Arthritis Rheum. 2009 Nov 15;61(11):1472-83.)
このACPAは他の疾患でも陽性となるため, 注意が必要.
(Arthritis Rheum. 2009 Nov 15;61(11):1472-83.)のReviewでは,
・PsAやSLE, pSSといった他の自己免疫性疾患・結核やHBVといった感染症 でも陽性となる.
特に結核は要注意
Cedars-Sinai Medical Center(CSMC)において,
2016年-2017年に診療したACPA陽性例(抗CCP抗体3.1 assay) 281例の診断を後ろ向きに評価.
(Medicine 2021;100:16(e25558).)
・診断は最低6ヶ月以上フォローした上での診断.
・ACPA陽性例は, ≥20, <40のLow positive, ≥40のHigh positiveで分けて評価
ACPA陽性例のうち, RAは48%.
・他の自己免疫性疾患が19.9%, 非自己免疫性疾患が26.4%
・Low positiveでは, それぞれ 24.8%, 31.4%, 40.0%.
RAは1/4のみ
・High positiveでは, それぞれ 61.9%, 13.1%, 6.8%
ACPA陽性例で診断した疾患
・自己免疫性疾患では, SLE, pSS, PMR, UCTD, PsAなどなど.
・非自己免疫性疾患では, OA, 肺疾患(ILD, COP, HP, 喘息, 肺結節など), 悪性腫瘍(大腸癌, 乳癌, 肺癌, 甲状腺乳頭癌, DLBCL, VIPomaなど)
・他には繊維筋痛症, Gout, などなど
他にはブルセラ症でも陽性となる報告がある(Mod Rheumatol, 2014; 24(1): 182–187)
・62例の末梢関節炎を呈したブルセラ症患者と, 33例のRA患者, 42例の健常Control群で, 抗CCP抗体を測定
・陽性率は, ブルセラ症で13/62(20%), RA患者で26(78.8%), 健常人では1例のみ陽性であった.
・ブルセラ症で抗CCP抗体陽性で あった13例のフォローでは 全例で陰性化.