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2021年4月15日木曜日

GLP-1作動薬による体重減少効果

 糖尿病で使用されるGLP-1作動薬、特に週1回皮下注射投与のSemaglutideの非糖尿病の病的肥満患者に対するダイエット効果が示されている.


STEP1: 糖尿病(-)の肥満患者を対象としたDB-RCT
(N Engl J Med 2021; 384:989-1002)


・BMI≥30または1つ以上の肥満関連疾患(高血圧, 脂質代謝異常, OSAS, 心血管疾患)を有する場合はBMI≥27, 且つ糖尿病ではない患者群 1961例を対象
通常の生活指導に加えて週1回のSemaglutide 2.4mg皮下注群 vs Placebo群に割り付け, 68wk継続. 体重変化を比較した
Semaglutide0.25mgより開始し, 4wk毎にDose up. 16wk後に目標量の2.4mgまで増量する

アウトカム

68wkで15%近く体重が減少
Placeboでは2%程度



 STEP 3: BMI≥30または1つ以上の肥満関連疾患(高血圧脂質代謝異常, OSAS, 心血管疾患)を有する場合はBMI≥27, 且つ糖尿病ではない患者群 611例を対象
(JAMA. 2021;325(14):1403-1413. doi:10.1001/jama.2021.1831)


・8wkのカロリー制限とIntensive behavioral therapyに加えてSemaglutide 2.4mg SC/wk vs Placebo群に割り付け, 68wk継続
 終了後7wkoff-treatment期間を設けて副作用を評価
・Semaglutide0.25mgより開始し, 4wk毎にDose up. 16wkに目標2.4mg/wkまで増量する. 2.4mgが耐えられない場合は1.7mgで継続
・カロリー制限は最初の8wk1000-1200kcal, 以後は1200-1800kcal

・アウトカムは体重減少の程度達成率を比較.


アウトカム
・体重減少(%)Semaglutide-16% vs Control -5.7%
 5%以上の体重減を達成した率は86.6% vs 47.6%有意にSemaglutideで体重は低下する
・10%以上低下したのが75.3%, 15%55.8%
・Cholも有意に低下


STEP4:
肥満患者に対して, 20wkSemaglutide 2.4mg/wkの皮下注射を行った後に, 継続群 vs 終了群に割り付け, 比較.
(JAMA. 2021;325(14):1414-1425. doi:10.1001/jama.2021.3224)
・患者はBMI ≥30(1つ以上の肥満関連病態がある場合はBMI≥27)で糖尿病(-)群を対象.
両群とも生活指導は行なっている
20wk継続(16wkは増量期間, 4wkは維持期間), 89%(803)2.4mg/wkまで増量された.
・この患者群を, さらに48wkまで継続 vs Placebo切り替え群に割り付け, 体重変化をフォローした

体重の変化

・使用している間は体重は減少し, 中止群では徐々に体重は戻ってしまう.
 ただし速度は緩徐
・継続群では60wkくらいで体重減少はプラトーとなる

副作用頻度
STEP1
・重大な副作用は 9.8% vs 6.4%
 薬剤中止が必要なのは7.0% vs 3.1%
・消化管症状はSemaglutideで多い

STEP3


治療中断が必要となる副作用が5.9%
消化管副作用が多い. 他に多いのは頭痛, ふらつき
・重大な副作用は肝胆道系障害 2.5%
筋骨格系,CTD1.2%で報告

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・Semaglutideの皮下注射は病的肥満患者における体重コントロール有用.

・効果は50-60wkでプラトーとなるが, 15%前後の体重減少が見込める

 (生活指導, カロリー制限込みで)

・中止により再度体重は増えるが, その速度は緩徐.

・使うならば1年間使用し, その後休薬という形がよいか.

・副作用は消化管副作用が多い. 肝胆道系酵素上昇も重大な副作用に含まれる