RA患者における報告 (Arthritis Rheum. 1995 Aug;38(8):1120-7.)
1968-1973年に経口CYCで治療されたRA患者119例と,年齢, 性別, 関節機能, 罹患期間を合わせたCYC非使用のRA患者119例で悪性腫瘍リスクを比較した報告.
・平均フォロー期間はCYC群で13.1年, 非CYC群で14.4年間.
・悪性腫瘍はそれぞれ37例で51件, 25例で26件診断. P<0.05
・膀胱癌がCYC群で9例(Controlでは0)
皮膚癌が19例 vs 6例と有意にCYC群で多い
・CYCの投与期間が長いほど, 総投与量が多いほどリスクは上昇.
・長期的にリスクが上昇する.
AAVにおける報告
1973-1999年にGPAと診断された患者293例を2010年までフォローした結果(9.7年[0-36]), 73例で悪性腫瘍を発症
(Rheumatology 2015;54:1345-1350)
・このうち30例がnon-melanoma skin cancer(NMSCs)であり11例が膀胱癌
・膀胱癌SIR 3.6[2.5-5.2]
NMSC SIR 4.0[2.7-5.7]
・他にMyeloid leukemiaもリスク上昇
時間経過/CYC投与量とリスク
・数年以上経過してリスクが上昇. また, CYCの投与量が多いほどリスク
・CYC非投与患者ではリスク上昇はない
1991-2013年に診断されたAAV患者の平均10年間フォローにおける悪性腫瘍リスクを評価
(ARTHRITIS & RHEUMATOLOGY Vol. 67, No. 12, December 2015, pp 3270–3278)
・AAV患者は138例. 診断が判明した患者では, GPAが79例, MPAが38例
・9.7年のフォローにおいて, 38例で85件の悪性腫瘍を診断.
・NMSCで有意にリスクが上昇する(SIR 4.23[2.76-6.19])