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2014年10月2日木曜日

ST合剤

ST合剤
SulfamethoxazoleとThrimethoprimの合剤. SMX 400mg, TMP 80mgを含有する.
Bioavailabilityは98%と非常に吸収率が良い薬剤.

"熱病" に記載されている用量はTMPの量

ST合剤を考慮するとき CMAJ 2011;183:1851-8
 ST合剤はUTI原因菌全般, Pneumocystis jiroveci, Toxoplasma gondii, Strenotrophomonas maltophilia, 市中MRSA感染症に有効な薬剤.
 また, 長期ステロイド使用患者, HIV患者ではカリニ, トキソプラスマの予防薬として使用される.

しかしながら, 副作用が多い薬剤としても有名. 副作用の覚え方は “NOT RISKY?”

N; Neurologic effects
O; Oxygen-carrying capacity, Other hematologic abnormality
T; Toxic epidermal necrolysis, hypersensitivity reactions
R; Reproductive toxicity
I; Interactions with other drugs
S; Sugar
K; HyperKalemia and other Kidney effects
Y?; Why not consider an alternate Abx?


ST合剤による血液障害の種類

ST合剤と薬剤相互作用

ST合剤と高K血症について
ST合剤では通常投与量で高K血症, 低Na血症が認められる.
 遠位尿細管でのAmiloride-sensitive Na-chの阻害が原因.
感染症で入院した105名のProspective cohort. (Ann Intern Med 1996;124:316-20)
 80名がST合剤(通常投与量), 25名は他の抗生剤で治療.
血清電解質, Cre, BUNを評価したところ, 
血清K値はST合剤群で有意に増加を認めた.
 ST合剤群では62.5%でK>5.0mEq/L21.2%でK>5.5mEq/Lとなる.
 また, Kのピークは治療開始後4-5d.
 特にCre>1.2mg/dL群では高KのRiskが高い.
 他にはCreがST合剤群で有意に増加するが, BUN, Na, Clは有意差なかった.

通常容量のTMP-SMXで治療された53名のRetrospective study (Internal Medicine 2003;42:6659-)
 投与前後の血清K, Na, Creを評価
 電解質異常(Na<135, K>5.0mEq/L)を認めたのは26.4%.
 低用量患者よりも高用量患者の方が高頻度.
Low dose
TMP <80mg/d
電解質異常 9.1%
Standard dose
TMP 80-120mg/d
電解質異常 22.2%
High dose
TMP >120mg/d
電解質異常 46.7%
また, 腎不全合併例(Cre>1.2mg/dL)では85.7%で電解質異常(+)であった.

ACEI or ARB内服中の高齢者(>=66y)において,TMP-SMXの投与は高Kでの入院Riskを7倍に上昇させる.
 7日間投与にて, OR 6.8[4.1-11.3]
 14日間投与にて, OR 6.7[4.5-10.0]
 21日間投与にて, OR 6.5[4.3-9.9]
(Arch Intern Med 2010;170:1045-9)

スピロノラクトン投与中の患者において, ST合剤の併用は高K血症リスクを12倍にする.
 スピロノラクトン投与中の高齢者(>65yr)における, Case-control Study.
 Amoxicillin併用と比較して, ST合剤併用は高K血症で入院するリスクが12倍
BMJ 2011;343:d5228 

高齢女性のUTI症例393039例のCohort study
 高K血症で入院を必要とした割合
Abx
/100000
OR
ST合剤
51.4
3.33[1.32-8.42]
CPFX
16.9
0.81[0.28-2.39]
Norfloxacin
8.5
0.52[0.18-1.54]
Nitrofurantoin
9.6
0.51[0.17-1.50]
AMPC
20.4
1.00(reference)
Am J Kidney Dis. 2011;57(3):521-525

ST合剤は低血糖リスクも上昇させる
 Glyburide(SU剤)使用中の患者において, ST合剤を併用すると, 約6倍の低血糖Riskとなる. (1wk以内の併用にて OR6.6[4.5-9.7]) (JAMA 2003;289:1652-8)

ST合剤の再投与方法 
HIV患者におけるPCPの予防目的のST合剤投与において, 副作用で中断した191名を対象としたDB-RCT. The Journal of Infectious Diseases 2001;184:992–7
 6日間で徐々に増量する群 vs そのまま再投与する群で, 6ヶ月以上投与継続出来た確率を比較.
 6日間の増量レジメ
Day
バクタ錠
バクタ顆粒
TMP/SMZ
1
1/8T
125mg
10/50 mg
2
1/8 bid
125mg bid
20/100 mg
3
1/8 tid
125mg tid
30/150 mg
4
1/4 bid
250mg bid
40/200 mg
5
1/4 tid
250mg tid
60/300 mg
6
1T
1g
80/400 mg

ST合剤の長期投与が達成できたのはDose-up群で75.3%,
直接1Tから投与した群で57.4%と有意にDose-up群で良好であった. P=0.014
特に発熱と頭痛はDose-pu群で少ない傾向がある

ステロイド ± 免疫抑制薬を使用している41例のRetrospective study. Mod Rheumatol (2013) 23:752–758
 ST合剤の予防投与において, その内13例がST合剤 10%量から開始する増量レジメ, 28例が最初からST合剤 1錠/dで始めるレジメであった.
予防投与成功率は,
 増量レジメ群では100%, 1錠から開始群が82.1%と,
 増量していったほうがより予防投与成功率が高まるという結果.

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