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2014年10月17日金曜日

尿検査キットを用いた腹水と髄液の検査

中小病院では夜間に腹水検査が出来なかったり, 髄液検査が出来ずに紹介となったりすることもあります.
そのような時に覚えておくとよいかもしれません. ただしあくまでも外道です.

尿検査キット(Dip-Stick test, Strip test)で特発性細菌性腹膜炎を診断する
31例の肝硬変患者で, 合計100回の腹水穿刺を施行. 
 腹水中PMN≥250cell/mm
3 , 培養陽性をアウトカムとして2つの尿迅速検査キットの感度, 特異度を評価.
Multistix test; 5段階で評価(0-4)
 0; 0 PMN/mm
3, 1; 15 PMN/mm3, 2; 70 PMN/mm3, 3; 125 PMN/mm3, 4; 500 PMN/mm3
Combur
2 test LN; 4段階で評価(0-3)
 0; 0 PMN/mm
3, 1; 25 PMN/mm3, 2; 75 PMN/mm3, 3; 500 PMN/mm3

これらの検査キットによるSBPに対する感度, 特異度は 89%, 100%であった.
European Journal of Gastroenterology & Hepatology 2004, 16:579–583

肝硬変患者128例で228回の腹水穿刺を施行
 検査はAution sticks; 5段階で評価(0-4)
 それぞれ 0, 25, 75, 250, 500 PMN/mLがCutoff.
Cutoff ≥3+では感度89%[81-97], 特異度 99%[98-100], LR+ 151[149-152.9], LR- 0.10[0-0.85]
Cutoff ≥2+では感度96%[92-100], 特異度89%[84-94], LR+ 8.67[8.25-9.11], LR- 0.04[0-0.14]
(HEPATOLOGY 2003;37: 893-896.)

肝硬変患者105例で腹水穿刺を施行. Multistix 10SGで評価.
 Multistix 10SG reagent strip: Neg, Trace, +1~+3で評価
 評価はNeg以外は陽性と判断.
TraceでもSBPを満たす症例は多い
除外を意識するならばNeg以外は引っ掛けるべきなのかもしれない.
Eur J Gastroenterol Hepatol 19:289–295, 2007

尿検査 Dip-stick検査のReview World J Gastroenterol 2011 March 7; 17(9): 1091-1094
バラツキはあるものの, 感度, 特異度は良好といえる.
夜間で抗生剤に迷う時, 診断をつける際に良い判断材料の1つとなる.

尿検査キットで髄膜炎を診断する
CSFの白血球を尿検査で評価
75例のCSFを尿検査試験紙で評価(48例が正常, 27例で多核球上昇)
 >> 感度 92.6%, 特異度 100%で判別可能であった.
 蛋白の評価では, 感度 77.8%, 特異度100%で蛋白上昇を判別可能.
Med Klin (Munich). 1996 Dec 15;91(12):766-8.


800例よりCSF 922検体を採取し, CSFで尿検査を施行.
細胞数, 臨床経過より判断した細菌性髄膜炎をアウトカムとした.
>> 尿検査による白血球の評価は, すぐに対応必要な髄膜炎に対する感度 84.4%, 特異度 98.1%

Ann Emerg Med. 1989 Nov;18(11):1191-8.

髄膜炎疑いの小児 63例のCSFで尿検査 (Combur-10)を施行. Indian J Med Sci 2004;58:62-66
 Combur-10は10項目を評価可能な尿検査試験紙. 
 WBCは陰性, 10-25, 75, 500/mm3で評価
 蛋白は30, 100, 500g/L, Gluは<2.8, 2.8, 5.5mmols/Lで評価.

実際の数値とCombur-10の値との相関性(1 S.D.にはいる率)は蛋白が78%, Glu 75%, WBC 78%であった.
最終的に63名中 細菌性髄膜炎が12例, 結核性が13例, 無菌性10例, 正常 28例
尿検査試験紙法の髄膜炎に対する感度は97.14%, 特異度 96.42%
細菌性髄膜炎に対する感度 100%, 特異度 96.55%
結核性髄膜炎に対する感度 100%, 特異度 96.55%
無菌性髄膜炎にたいする感度 70%, 特異度 96.55%であった.

無菌性髄膜炎では感度が劣る物の, すぐに抗生剤投与が必要な細菌性髄膜炎での尿検査試験紙法の感度は非常に良好といえる.
髄液量も少量で済むため, これも有用な判断材料となり得る.
ただし腹水と比較してStudyが少ないので注意. 国内でもやってみたいところである.

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