ブログ内検索

2014年2月14日金曜日

感染性大動脈瘤の原因菌

肺炎球菌性髄膜炎で, 同細菌による化膿性関節炎, 脊椎炎を合併し,
そして感染性大動脈瘤を併発し, 切迫破裂した例を経験した.

感染性大動脈瘤はたまに診る病態であるが,
どのような細菌が関連することが多いだろうか.

Surgery 1996;119:129-32
感染性大動脈瘤
動脈壁への感染による動脈炎を生じ, 動脈瘤を形成する
 動脈置換術において, 切除した動脈の培養にて, 12-45%が陽性となり, 動脈瘤内容物の培養では8-18%が培養陽性となる (Selection biasは大きい)
 一般的に, 腹部大動脈瘤の1-3%に感染性動脈瘤が占める.

1987-91年にオランダのSt. Radboud Univ.にて施行された腹部大動脈瘤の手術において, 瘤内血栓を培養.
 手術は275例で, 培養提出されたのは216例(79%). 待機的80%, 緊急20%.
 予防的抗生剤投与は99%で行われている.
 培養陽性は55/216(25.5%), 待機的, 緊急で有意差無し.
 人工血管への感染は4/216(1.9%)で認められ, 3/4が培養陽性群.
 培養陽性群では5.5%, 陰性群では0.6%で人工血管感染を併発.

培養陽性例の内訳は
好気性菌
/55
好気性菌
/55
嫌気性菌
/55
Staph spp.
34
Corynebacterium spp
6
Propionibacterium acnes
10
 S. epidermidus
26
Streptococcus viridans
2
Gram-positive rods
4
 S. saprophyticus
4
Listeria monocytogenes
1
Peptostreptococcus
1
 CNS
3
Streptococcus hemolyticus, group B
1


 S. aureus
1




 Staphylococcusが多い.

さらに色々なStudyをみてみると

1)台湾
2)ロンドン
3)ドイツ
4)中国
N
17
15
33
48
113
感染性動脈瘤占める割合
2.3%
-
1.31%
-
-
Salmonella spp
7/17
3/15
6/36(17%)
35
51(45%)
Staphylococcus aureus
4/17
3/15
8/36(22%)
3
18(15.9%
Staphylococcus epidermitis
-
-
3/36(8%)
-
3(2.65%)
Klebsiella pneumoniae
1/17
-
-
-
1(0.88%)
Streptococcus pneumoniae
1/17
-
-
-
1(0.88%)
Strept. spp
-
1/15
4/36(11%)
2
7(6.2%)
Enterococcus spp
-
-
4/36(11%)
-
4(3.5%)
E coli
-
-
3/36(9%)
3
6(5.3%)
Coliforms
-
1/15
-
-
1(0.88%)
Bacteroides spp
-
-
2/36(5.5%)
1
3(2.65%)
T. pallidum
-
1/15
-
-
1(0.88%)
Aspergillus
-
-
1/36(3%)
-
1(0.88%)
結核
-
-
-
2
2(1.77%)
陰性
4/17
6/15
5/36(14%)
2
17(15.0%)
1)J Chin Med Assoc 2005;68:265-71
2)Eur J Vasc Endovasc Surg 2004;27:585-9
3)J Vasc Surg 2001;33:106-13
4)J Vasc Surg 2004;40:30-5

サルモネラによる報告が結構多い.
他はブ菌がやはり多い傾向.

個人的にも経験した感染性大動脈瘤はE coliが2例と "GNRとブ菌" が主な原因な印象がある. 日本や台湾ならばクレブシェラの頻度も上がると予測される.

今症例のような肺炎球菌は上記の報告では1例のみと非常に稀.
また, 髄膜炎, 関節炎, 脊椎炎, そして感染性大動脈瘤という多岐にわたる播種は特別な菌株であった可能性が高いか...
ちなみに心内膜炎は認めませんでした.

こういう時に遺伝子検査ができれば面白いのですが...

0 件のコメント:

コメントを投稿