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2014年6月11日水曜日

IgG4関連疾患④: その他

IgG4関連疾患④: その他

IgG4関連腹部大動脈瘤 Curr Opin Rheumatol 2011;23:18-23
炎症性大動脈炎による大動脈瘤は稀ながら報告例がある
 後腹膜へ炎症が波及すると後腹膜線維症となり, 関連性を認める.
 自己免疫性膵炎, 後腹膜線維症などIgG4-related systemic diseaseに大動脈炎が併発することもあり, IgG4が大動脈炎に関連している可能性.
 炎症性の大動脈瘤はAAA全体の2-10%を占める原因.
 炎症性大動脈瘤患者は通常のAAAと比較して若年.
 血清IgGは高値を示し, ANAは高頻度に陽性となる.
 PETでは大動脈周囲が高信号を示す.
 胸部大動脈単独発症の報告は無し. 腹部からの波及はあり得る程度.
 しかしながら, 今後発見される可能性あり.
 SMA, 冠動脈にIgG4関連血管炎が生じた報告もあり.

肉眼所見では白色, グリス状の大動脈瘤周囲の線維化.
 組織所見ではLymphoplasmacytic infiltrationが認められる.
鑑別疾患としては,
 炎症性大動脈瘤
 高安病, GCA, RA, Cogan病, 強直性脊椎炎,
 Behet病で炎症性大動脈炎を来す.
 感染性動脈瘤が重要.

IgG4-IAAA vs non-IgG4-IAAA (Inflammatory Abdominal Aortic Aneurysm)
臨床, 治療上, IgG4関連IAAA vs 非関連IAAAの鑑別は重要.
 一般的にIgG4関連では炎症が強い傾向あり. 特に外膜の肥厚が強い.
 組織所見では好酸球浸潤, Lymphoid follicle形成, 閉塞性静脈炎, 神経周囲の炎症波及が有意に認められる.
 好中球浸潤や中膜肥厚はnon-IgG4-IAAAを示唆する所見.
IAAA全体の50%がIgG4-IAAA.
 手術したAAAの内, 5%がIgG4-IAAA.
 発症年齢, 大動脈瘤径, 部位ではIgG4関連 or notの鑑別は付かない.
 破裂のriskはIgG4-IAAAの方が少ない.
IgG4-IAAAではより自己免疫疾患, アレルギー疾患合併が多い
 気管支喘息は約30%で合併する.
 また, IgG4関連疾患の合併もあり(膵炎, リンパ節炎, 後腹膜線維症).
他の鑑別点としては,
 IgG4高値, IgE高値, ANA高値(>320倍)がIgG4-IAAAに特徴的.

胸部大動脈炎は6例のCase reportあり.
 65-74yrで, 5/6で弓部を含む血管炎.
 2/5で上行大動脈を侵し, 下行大動脈を含むのは1例のみ.
 ボストンでの5年間の胸部大動脈炎を調査すると, 内9%がIgG4-related Aortitisであった.
胸部大動脈解離の内, IgG4-related aortitisは0.5% (日本国内からの報告では1.6%とやはり高値となる) Curr Opin Rheumatol 2011;23:88-94

IgG4関連腎炎 Am J Kidney Dis. 58(2):320-324.
IgG4に由来する尿細管間質性腎炎の症例報告
 尿細管間質性腎炎の原因として有名なものは, 薬剤(抗生剤, NSAID), 感染症, 自己免疫, 代謝性, 形質細胞疾患, 先天性など挙げられるが, IgG4関連疾患も原因として挙げられる.
組織所見では,
 A) 間質の線維化を区域性に認め,
 B,D) IgG4陽性の形質細胞の浸潤
 C) 炎症部位の線維化 を認める.
また膜性腎症を示す例もあり.

IgG4関連腎炎の診断Criteria Mod Rheumatol (2012) 22:21–30
1) 腎障害; 尿検査異常, 腎機能低下 + IgG, IgE上昇 or 低補体血症
2) 腎画像所見異常
 a)
造影CTで多巣性の低造影領域
 b)
腎のびまん性腫大
 c)
腎のHypovascular solitary mass
 d) Renal pelvic wall
の過形成領域 (renal pelvic surface表面は整)
3) IgG4 >135mg/dL
4) 腎の組織所見
 a) IgG4+
形質細胞がHPFあたり>10, IgG4+/IgG+ 形質細胞>40%
 b)
リンパ球, 形質細胞が浸潤した線維性, 硬化性組織
5) 腎外の組織所見
 IgG4+
形質細胞がHPFあたり>10, IgG4+/IgG+ 形質細胞>40%
Definite 1+3+4a,b
2+3+4a,b
2+3+5
1+3+4a+5
Probable 1+4a,b
2+4a,b
2+5
3+4a,(b)
Possible 1+3
2+3
1+4a
2+4a
Hypertrophic pachymeningitis Medicine 2013;92: 206-216
Hypertrophic pachymeningitis; 脳, 脊髄の髄膜の肥厚を呈する炎症性疾患.
 肥厚に伴う脳実質, 神経の圧迫が生じ, 神経症状を来す.
 感染症; 結核性髄膜炎
 膠原病; RA, 血管炎 Polyangiitis, Wegener肉芽種, GCA, ベーチェット病, サルコイドーシス
 悪性腫瘍; リンパ腫
 原因として挙げられるが, 原因のない特発性もあり得る.
 その特発性の中にIgG4関連性髄膜炎が近年判明している.
Hypertrophic pachymeningitis 14例中, 特発性が6例.
 Wegener肉芽腫症 3例, RA 1例, GCA 1例, サルコイド 1例, MALTリンパ腫, NHLが1例ずつ. 分類不能 2例.
 特発性6例中, 4例でIgG4+形質細胞が認められた(66%)

IgG4-RSDによる眼窩付属器炎 Curr Opin Ophthalmol 2012, 23:415 – 419
IgG4-RSDによる眼窩付属器の炎症の報告は日本国内が多い.
 無症候性, 両側性の涙腺へのリンパ球浸潤と線維化, 血清IgG4の上昇例, 他のIgG4-RSDとの合併例も多い(唾液腺炎, 膵炎等)
報告例では, 眼窩付属器のIgG4-RSDからリンパ腫が生じた例もあり, 長期フォローにてリンパ腫のリスクとなる可能性が示唆されている.
 また, 悪性Marginal zone B-cell lymphoma 114例中10例で, IgG4陽性形質細胞の浸潤を認めたとの報告もあり,リンパ腫が背景にある場合も考えられる.

IgG4-RDで眼病変を来した9例の解析 Mod Rheumatol, 2014; 24(3): 471–476
 8例で涙囊炎, 1例で眼球後部視神経腫脹, 1例で眼窩内炎症を認めた.
 他臓器の症状は全例であり.
 眼窩内の生検では全例でリンパ球, 形質細胞, 線維化を認め, IgG4/IgG陽性細胞比は>40%を満たしていた.
 PSL0.6mg/kgで全例反応したが, 減量により2例で再燃.

特発性外眼筋炎もIgG4-RSDによる報告例, 自験例がある Surv Ophthalmol 57:26--33, 2012.

眼窩内炎症性疾患の原因一覧 Curr Opin Ophthalmol 2012, 23:415 – 419
5-8%が生検しても原因不明であり, “Idiopathic orbital inflammation”と呼ばれる.
IOIの中でIgG4-RSDが原因のものが近年報告されてきている.
ただしステロイドに反応あり = IOIではなく, リンパ腫でも反応し得るため, 注意が必要

IgG4-RSDと皮疹 Mod Rheumatol (2013) 23:986–993
IgG4-RSでは皮疹も出現し得る.
生検にてIgG4陽性形質細胞の浸潤が認められる
報告例は丘疹や結節を呈する事が多い.

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