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2012年5月27日日曜日

糖尿病性神経障害のマネージメント


Lancet Neurol 2012; 11: 521–34 より良いReviewがでたので, 
他の文献も合わせて要点のみまとめてみた。by 高岸

神経障害は全人口の2%, 40歳以上の15%で認める.
 その最も多い原因が糖尿病によるもの.
 糖尿病患者の30-50%で神経障害を合併している.
 糖尿病による神経障害のパターンは, Distal symmetrical polyneuropathy(DSP)が最多.
 他にはSmall-fibre predominant neuropathy, radiculoplexopathy, 自律神経障害がある. 
Lancet Neurol 2012; 11: 521–34

末梢神経障害は糖尿病性足壊疽, 感染のRiskを7倍に上げる
 下肢切断の原因の61%を占めるとされる
 切断した患者群の5yr死亡率は39-80%と高い. 
JAMA 2010;303:1526-32

Distal symmetrical polyneuropathyの評価
音叉を用いた振動覚の評価
 128Hzの音叉を用い, 最初に手で患者に振動を認識させる
 次に音叉を患者の母趾背側に当て, 振動を感じなくなった後に,そのまま自分の母趾背側に当て, 自分が感じなくなるまでの時間を測定
 その時間が10秒以内ならば正常, 10秒を超える様ならば異常と判断.

Monofilamentによる評価  JAMA 2010;303:1526-32
 DM神経障害の評価には5.07 filament(10gの圧力を与える)を使用する
 患者は臥位で閉眼した状態で, filamentを垂直に当てる.
 当てる強さはfilamentが歪む程度まで. 当てる時間は1秒程度.
 部位は各足3カ所程度で2カ所以上分からなければDM footと診断
 もしくは, 各足底5カ所, 母趾, 第4趾, 第1, 3, 5趾のMP関節部で評価するとの推奨もある(Semmes-Weinstein monofilament evaluation)



Diabetic neuropathic pain(DNP)のマネージメント
DM患者の10-20%, DM性神経障害の40-60%で認める.
 DNPは焼ける様な痛み, 電撃痛, 刺される様な疼痛と表現される.
 異痛症や痛覚過敏となることもある.

エビデンスのある薬剤、薬剤選択のアルゴリズムは以下の通り




3 件のコメント:

  1. 日本ではトラマール(tramadol)はモルヒネ同様で癌性疼痛に適応なので,トラムセット(tramadolとacetaminophenの合剤)を慢性疼痛として使用できますが,まだ使ったことなし.サインバルタも日本では比較的発売の新しい薬で使ったことなし.今後使うのだろうけど.
    メジコン大量とか話には聞くけど当然使ったことがない.
    神経障害のスコアにはmodified Toronto Clinical Neuropathy Scoreてのもあったりするけど,痛みだけじゃなく,神経障害としての評価はホント難しいなぁといつも感じることです.
    この痛みが治るなら何でもするとか,治らないなら殺してくれと言われたこともあり,ツライんやろなぁと.少しでもマシになるよう薬の選択幅を広げることが必要と感じます.
    参考にさせてもらいます.みつはし.

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  2. トラムセットは開業医の先生がよくつかってますね。当然DM神経症ではなく腰痛にたいしてですが(笑)。
    メジコンは小規模Studyでエビデンスがでています。効果は他のと比較して弱いので、単独よりは併用で使ってます。比較的安い薬ですし。
    サインバルタは自分は初めて知りました。過量服薬による痙攣くらいの印象しかなかったのですが、TCAよりは使いやすそうなので、リリカと併用もやってみようかな、と思っています。

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    1. いつか疼痛用に高用量の錠剤が出るとよいですね.ただでさえ薬の多い方たちですから.

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