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2012年5月2日水曜日

腎不全による代謝性アシドーシス


Pediatr Nephrol (2011) 26:1928


成人では1日に1mEq/kg程度の酸性物質が産生される。小児では1-3mEq/kgと様々。
それに釣り合うように腎でのHCO3再吸収、HCO3の産生が行われる。
生体内での酸(H+)産生の増加、
胃、尿中からのHCO3排泄増加
腎でのHCO3産生低下(尿中NH4の低下, H+排泄低下) で代謝性アシドーシスとなる

腎不全患者での酸性物質の産生量は健常人と同等か、やや低い程度。
腎不全患者の代謝性アシドーシスの主な原因は、腎でのHCO3産生の低下に起因する。
腎からのHCO3排泄は腎不全患者でも増加することは少なく、アシドーシスの原因には成りにくいが、それでも報告例はあることはある。

 >> つまり、腎不全による代謝性アシドーシス(MA)ではHCO3 12-23mEq/L程度の軽度な代謝性アシドーシスであることがほとんど。また、GFR<25よりMAが生じてくる。

また、GFR<15となるような重度のCKDではHCO3は更に低下することが分かっている。



【腎不全とAG開大性MA】
腎不全によるMAではAG開大, 非開大双方ともあり得る。
早期CKDではAG非開大性が多いが、末期ではAGは開大しやすい。が、一概にそうとも言えないことも多く、あまり気にする必要は無い。予後への影響も少ない。

●163名の慢性腎不全患者の電解質を評価したStudyでは(Yonsei Medical Journal 1985;26:39-43)


Group
N
Na
K
Cl
CO2
AG
Control (Cr <1.5)
12
140.5±4.1
4.1±0.4
103.9±2.8
25.5±3.3
11.0±4.7
Mild (Cr 1.5-3)
21
138.9±4.8
4.2±0.6
104.6±5.4
23.2±3.4
11.0±4.4
Moderate (Cr 3-6)
34
138.1±5.2
4.8±0.8
107.1±7.0
20.1±5.0
10.8±4.8
Severe (Cr ≥6)
108
135.8±6.4
5.0±0.4
103.0±8.9
16.6±4.7
16.2±5.5

 Cr>6となる例でようやくAGが開大してくる傾向がある。
 さらに細かく分類すると、


Cre
AG
<3
11.0±4.4
3-6
10.8±4.8
6-9
13.1±5.4
9-12
15.3±5.3
12-15
16.1±4.3
15-18
18.6±4.9
≥18
20.5±4.5



慢性腎不全患者において、Cre>6では、Cre値とAGは相関する。


高岸

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