同じようなものは以前にも書いていた
教育によく使えそうな報告が発表されたので紹介
(Rheumatology (Oxford). 2021 Jun 18;60(6):2842-2851)
元々糖尿病, 前糖尿病の既往がない, 炎症性リウマチ疾患でPSLを3ヶ月を超えて投与された150例において, OGTTを施行した前向き報告
・150例中, 女性は125例. 平均年齢は59.5歳.
88%がPSL≤10mg/dの投与量で, 投与期間の中央値は81.2ヶ月
調査時のステロイド投与量は5mg/d[2.5-7.5]であり, 少量の維持期間における調査といえるか
アウトカム
・OGTTの検査にて, 耐糖能正常だったのが102例(68%)
空腹時耐糖能障害(IFT)単独 4.67% (食前 ≥100mg/dL, OGTT 2h <140mg/dL)
食後耐糖能障害(IGT)単独 19.33% (食前 <100mg/dL, OGTT 2h 140-199mg/dL)
IFT+IGT 4.67%
糖尿病の診断 3.33% (OGTT 2h ≥200mg/dL), 5名. このうちIFT(-)は1例.
食後耐糖能障害単独, 糖尿病(空腹時正常)のリスク因子
・体脂肪率と50歳以上がリスク因子となる
TFP: 体脂肪率
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長期間の少量ステロイドを使用している患者のおよそ25%(19.33+4.67)で食後耐糖能障害が認められる. 2割は食後耐糖能障害のみ.
空腹時血糖のみをフォローしても, それが異常となるのはおよそ10%弱(4.67+4.67).
糖尿病と診断された症例は5名(3.33%)で, このうちIFT(-)なのが1例.
IGT, DMのリスクとなるのは高齢者と体脂肪率
長期間ステロイドを使用しているリスク因子+患者ではたまに食後血糖の評価やOGTTも検討すべきかもしれない.
ステロイド長期使用におけるメトフォルミンの併用 では, メトフォルミンの併用により皮下脂肪量の減少効果もあり, IGTの予防にもなるのかも?