骨髄穿刺と骨髄生検結果の診断一致率はどの程度のものか?
骨髄穿刺, 生検双方を施行した27例を評価した報告
(Journal of Evolution of Medical and Dental Sciences 2012; 1(6):987-93)
・70%は穿刺のみで診断が可能であったが, 30%は生検を必要とした.
この内, Day tapによるものが18%含まれる.
・穿刺と生検の結果の差異: 低形成, 正形成, 過形成の一致性もかなりずれがある
骨髄所見を評価した443例において, 骨髄穿刺と生検所見を比較した報告
(J Postgrad Med Inst 2014; 28(2):217-21.)
・73.8%が骨髄穿刺所見と生検所見で診断が一致
診断別にみた, 穿刺の診断への寄与.
・肉芽腫性疾患や骨髄線維症は穿刺では診断はできない.
多発性骨髄腫やリンパ腫も穿刺のみでは不十分.
・“正常骨髄” も穿刺のみでは7割しか言えない.
穿刺所見と最終診断が異なった症例
・Dry tapは36例 (8.1%) で認められ,
ITP, CML, AML, ALL, MM, Lymphoma, 骨髄線維症が含まれる.
・正常が4例.
汎血球減少で骨髄穿刺/生検を行なった58例の解析
(J Hematol 2013;2(1):8-13)
・最終診断: Table 2
・44/58(75.8%)が骨髄穿刺所見と生検結果が一致 (Table 4)
・11例が骨髄生検で診断された.
血液腫瘍系は穿刺所見と生検所見で一致したのはAML, MM, WMのみ.
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おおまかに, 穿刺結果と生検結果の一致率は7割程度と考える.
特にDry tapとなる症例(あたりまえだが・・・), 血液腫瘍, 肉芽腫性疾患, 骨髄線維症は穿刺のみでは診断/除外には不十分.