Mod Rheumatol, 2014; 24(1): 52–59
ステロイド投与による耐糖能障害は主に食後血糖の上昇で生じることが分かっている.
そこで
RAや他の膠原病でステロイド使用している患者において, 外来患者では昼食後血糖を評価, 入院患者では食前後血糖を評価
食前30分と食後2h(外来では1-3h)で測定.
血糖140-199mg/dLでは耐糖能障害, ≥200mg/dLでGC-DMと評価.
食後高血糖(+)の患者群では, PSLを1日1回朝内服から数回に分けて内服するように変更.
変更後も昼食後血糖>200mg/dLとなる群, PSL分散投与に同意できない群ではNateglinide(スターシス®) and/or Acarbose(アカルボース®)を追加.
患者群はRA/CTDでPSL内服中の78名で血糖を評価(外来9名)
PSL量は外来で15.6±11.3mg/d, 入院患者で10.2~34.5mg/d
耐糖能障害は30例, GC-DMは41例と多い(左).
PSLの量が一定の14例の空腹時血糖(○)と食後血糖(●)とHbA1cの値の比較では(右),
食後血糖が高いが, HbA1c 5-6%前半台が半数程度.
HbA1cではGC-DMの食後高血糖を検出しきれない.
もともとDM(+)患者ではHbA1cは高値となりやすいが, DM(-)でステロイドの影響で耐糖能障害となった患者ではよりHbA1cは上昇しにくい.
各介入毎の食後血糖の推移.
A; PSLを分割 B; 薬剤を1剤のみ追加 C; 薬剤を2つ追加 D; PSLの分割と薬剤を2剤追加
有意差がでるのはPSL分割投与と薬剤2剤の併用全てを組み合わせた群. ただ, 他の群でも食後血糖は減少する傾向にはある.
----------------------------------Point
●ステロイドユーザーにおける耐糖能障害では, 食後高血糖が重要であり, HbA1cのフォローでは不十分である.
●食後高血糖の治療にはαグルコシダーゼやグリニドが有用な可能性があるが, PSLを分割投与に変更するのも有用と言える.
(Studyでは使用されていないがメトホルミンも効果的だろうと思われる)