献本御礼
米国で集中治療医をしてらっしゃる, 田中竜馬先生が訳された本です。 フレームワーク法というのは (自分はそんな詳しくないですが), 各主訴, 症候ごとに, 機序や解剖を基本に分類し, そこから鑑別疾患を挙げる方法です |
この本では, まずは主訴ごとに症例提示があり,
その後Q and A方式で, その主訴の総論的な説明, そしてフレームワークで分類した鑑別疾患と, その大まかな概要が記載されています.
その記載内容が, とても簡潔, なのに情報量が十分あり, 満足感が高いです.
このフレームワーク法の鑑別疾患の挙げ方としては, 私個人としては「VINDICATE」で鑑別する[Differential Diagnosis in Primary Care]が思い出されます.
現在は日本語訳もあるようです
私が医学生〜初期研修医の時分には, この本を使って, VINDICATEで考えながら鑑別疾患を勉強していました.
*VINDICATEは
V – Vascular
I – Inflammatory
N – Neoplastic
D – Degenerative / Deficiency
I – Idiopathic, Intoxication
C – Congenital
A – Autoimmune / Allergic
T – Traumatic
E – Endocrine
今もその習慣は抜けておらず, 考え方の根幹となっています.
経験を経ると, そのVINDICATEから, 主訴に応じて無駄を削ぎ落とし, 簡略化し, 日常診療で使用しやすいように落とし込むのですが,
この「フレームワークで考える内科診断」には, はじめから削ぎ落とされた完成形がそこにありました.
まずはこのフレームワークを頭に入れて診療し, さらに経験に応じて肉付してゆくと, より臨床力のUPにつながると思います.
外来診療や, 診断学でまずなにをしてよいか/どう考えて良いかわからない初学者(医学生〜)はこの本から勉強すると良いでしょう.