国内から, 非重症例AAVにおけるRTX + Low-dose Steroidの報告:
日本国内からのOpen-label 非劣性RCT.
重症の糸球体腎炎(eGFR<15mL/min/1.73m2)または肺胞出血(酸素投与>2L/min)となる症例を除くGPA, MPA患者を対象.
(JAMA. 2021;325(21):2178-2187. doi:10.1001/jama.2021.6615)
・他の除外項目: 他の自己免疫疾患の合併, HIV, HBV, HCV感染, 妊婦/授乳, 5年以内の悪性腫瘍, 1年以内のTB, モノクローナル抗体に対するアナフィラキシー, 他に免疫抑制が必要な病態, 6ヶ月以内のB細胞抑制治療
・上記患者群140例を,
RTX 375mg/m2/wkを4回投与に加えて,
Low-dose steroid群: PSL 0.5mg/kg/d, 5ヶ月でOffとなるように減量
High-dose steroid群: PSL 1.0mg/kg/d, 5ヶ月で10mg/dとなるように減量群に割り付け,
6ヶ月時点での寛解率を比較.
・Birmingham Vasculitis Activity Scoreが0に到達しない症例や, CRPとANCAが正常化しない症例ではLow-dose群における減量レジメを延期可能とした.
減量レジメ:
・Low-doseでは, 2wk後にはさらに半量, 1ヶ月後には7.5mg/dまで減量する母集団データ
・MPAが7-8割, GPAが2割程度
MPO-ANCA陽性例が8-9割
アウトカム
・6ヶ月時点での寛解率はLow-dose群で71%, High-dose群で69.2%
AD 1.8[-13.7~∞], 非劣性が証明.
・再燃がLow-dose群で4.3%認められる.
死亡リスクは有意差なし
副作用リスク
・重大な合併症はLow-dose群で21件, High dose群で41件
治療関連は15件 vs 31件とLow-dose群の方が少ない傾向
・死亡は有意差なし
・感染症が15件 vs 45件とHigh-dose群で多い
糖尿病も9件 vs 19件
不眠 10件 vs 23件
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早期減量による長期的な再燃リスクは気になる. 長期フォロー結果を待ちたい
非重症AAVでRTXやCYで寛解導入をしっかりするならば, 開始量は0.5mg/kgというのはありかもしれない.