献本御礼
「診察室の陰性感情」というタイトルから, どのようなことがテーマか, というのは丸わかりでしょう. そして, だれしも「あるある」と頷くのではないしょうか? 確かにERや一般外来で, 腹を立てずに穏やかに診療できている先生はおります(内心は知りませんが). 少なくとも自分には無理でした. 年数が経つと, 余裕ができてきて, イライラの理由もある程度固定化されるため, 徐々に対処することが可能となり, 現在は以前よりはイライラ, 陰性感情がでてくることはずいぶん減ったかと思います. この本では, どういった要素が陰性感情の原因となるか, そして 「そういった要素」が最も多いであろう, 精神科診療において, どのように対応しているかを総論的, ケース毎に解説しています. 第7章では, 医師-患者間ではなく, チーム医療における陰性感情も扱っており, かなり心に刺さる内容が多い(反省という意味で・・・). 個人的な印象として, 最も診察室で粋る(イキる) 後期研修医の後半〜専門取得後数年(大体〜10年?)がイライラの極期ではないかと思われる(個人差はあり). この時期は下っ端で, 雑務も多く, 周りの扱いも雑で, 当直も多くて・・・ そしてさらに周りに気を遣え, 優しくジェントルにだとぉ? という無茶振りを要求される. そういった中でこの本の内容は, 理解可能だとは思うが, それで解決するかというと, やはりなかなか難しいように思う. しかしながら, それでもこの内容に目を通しておくと, 徐々に自分の診療の問題点, もっとよくできる点が気づけるようになると思う. すぐに変えてゆくのは難しいし、それもストレスとなるため, 早めに一回読んでおいて, ゆっくりと改善させてゆくのが良いと思う. 自分もこれからより良くして行こうと思いました. |