NINDS trialなどではこの投与量が使用されている.
日本では0.6mg/kgと低用量となっている.
日本国内からの報告では0.6mg/kgで十分であるとの報告が多くあるが, どれもコホートからの報告.
アジア諸国でも低用量を用いていることが多い.
通常用量と低用量群を比較したRCTはなく, どちらが効果が良好か, 出血リスクが高いかはわからない.
脳梗塞に対するt-PAの効果を評価した10 cohortsのMeta-analysis
・コホートは全てアジア諸国からの報告.
合計4389例の患者でt-PAを使用.
・通常投与量を0.85-0.95mg/kg,
低用量を<0.85mg/kg(実際 0.5-0.85mg/kg)と定義し, 両者で効果を比較した.
アウトカム:
・3ヶ月後の神経予後良好(mRS 0-1)は両者有意差なし(OR 0.88[0.71-1.11])
・症候性脳出血リスクも有意差なし(OR 1.19[0.76-1.87])
・3ヶ月死亡リスクも有意差なし(OR 0.91[0.73-1.12])
70歳以上の高齢者では, 通常用量よりも, 低用量群の方が出血リスクは低く, 神経予後も良好となる可能性がある.
TTT-AIS II (Stroke. 2014;45:2359-2365.)
TTT-AIS (Stroke. 2010;41:885-890.)
TTT-AIS (Stroke. 2010;41:885-890.)
TTT-AIS IIより, 投与量とアウトカム
TTT-AIS II (Stroke. 2014;45:2359-2365.)
高齢者や出血リスクが高い患者では低用量の方が良いのであろう.
投与量を増やしても神経予後改善につながるかどうかは微妙.
投与量を増やしても神経予後改善につながるかどうかは微妙.