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2016年1月13日水曜日

便細菌叢移植療法で使用する便細菌叢は凍結保存が可能

以前難治性のClostridium difficile感染症において, 便移植が治療の1つとなり,
また効果も非常に期待できるというブログを書いた

Clostridium difficile関連下痢症(偽膜性腸炎)③: 治療 (2014/10/20 UpDate)


その便細菌叢は, 健康で, 感染症が除外されたドナーより,
移植当日に便を採取して作成する必要があるが, 
その作成した便細菌叢を-20度で凍結しても, 30日程度は混入している細菌量は維持されるという方報告がある.

そこで, 難治性, 再発性のCDI患者を対象としたDB-RCTにおいて, 便細菌叢移植療法を施行.
凍結保存した便細菌叢と生便細菌叢群に割り付け, 効果を比較した.
(JAMA. 2016;315(2):142-149. )
再発性は10日間の治療後 48h~8wkの間に再発した症例
 難治性は経口VCM 500mg qidを使用しても, 下痢が持続し
 発熱>38度, WBC>15000, 腹痛の1つ以上を認める患者で定義
・上記患者を, 新鮮な便細菌叢の移植療法と凍結した便細菌叢の移植療法群に割り付け, 効果を比較.
・凍結便細菌叢は-20度で30日間まで保存しても細菌叢の量は保たれるため, 凍結細菌叢は作成後〜30日までを使用期限とした.

母集団データ
便移植の回数

アウトカム
・双方とも7割以上の改善率があり, 凍結, 生便細菌叢移植群で効果は変わらない結果.
・サブ解析でもどの群でも効果は同等.
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難治性CDIや重症CDIにおける便細菌叢移植療法は非常に効果的な報告があるが,
便を使用するため、生物学的製剤という認識をした方が良い.
したがってドナーの状態の管理は重要であるし, 感染症のチェックも必要
しっかりとした適応を考えることも大事。

米国では, 便移植の適応を以下としている
再発例では,
・3回以上の軽度〜中等症のCDIで, 6-8wkのVCM taperingでも治療失敗した例.
・ 入院が必要なCDIを2回以上起こしており, ADL障害を来す例.
中等症のCDIで1wk以上のVCM, Fidaxomicin治療に反応しない例.
重症, 劇症CDIで通常の治療開始後48hで反応の無い例
(Clinical Infectious Diseases 2014;58(4):541–5)

いざ行おうと思っても, それからドナーの検査を行い、、、となるとなかなかハードルが高くなる.
その点、一度作成すれば1ヶ月は使用可能な凍結便常在菌叢はそのハードルを下げる.

例えば, 日本に1箇所そのようなセンターを作り,
ある程度の凍結細菌叢を常備し、依頼があれば販売する、というようなビジネスもできる?
ドナーの健康状態は細菌検査結果は公開が必要ですし、保険もきかないので自費。
それでも難治性CDIで困っている患者さんはそれなりにいると思うし、ニーズもあるのでは無いか?

例えば自分の親が難治性CDIで大腸切除とか、退院できなくなるリスクがあれば、凍結細菌叢に数万円くらいは払う。あくまでも個人的な話。

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