(N Engl J Med 2012;366:1959-67.)
全患者で6-18ヶ月のワーファリン療法を施行され、その後,
アスピリン 100mg/d vs Placeboに割り付け, 2年間フォロー.
血栓症の再発リスクと出血リスクを比較.
結果は,
出血リスクを上昇させず、血栓症のリスクをNNT 20程度で低下させる(2年間で)
ASPIRE trial; WARFASAと同じデザインのDB-RCT.
N=822で, 2-4年間投薬を継続し, 比較.(NEJM 2012; online first, Low-Dose Aspirin for Preventing Recurrent Venous Thromboembolism)
ASPIRE trialの結果は,
Outcome
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Placebo
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Aspirin
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HR
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VTE再発
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6.5%/y
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4.8%/y
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0.74[0.52-1.05]
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DVTのみ
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3.8%/y
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3.3%/y
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0.86[0.56-1.33]
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PEのみ
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2.7%/y
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1.5%/y
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0.57[0.32-1.02]
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Major Vascular event
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8.0%/y
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5.2%/y
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0.66[0.48-0.92]
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出血
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0.6%/y
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1.1%/y
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1.73[0.72-4.11]
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VTE再発リスクはPlaceboと有意差は認められなかった.
リスクを低下させる傾向があるのみ.
ASPIREとWARFASA trialの結果をまとめると, 全体的にはリスク低下効果は認められる可能性が高いが, 今後の大規模Studyにて結果は左右される可能性があり, 要注意
VTEの治療に際して、毎回ワーファリンはいつきるべき迷う状況。明確な治療期間も定まっていないこの分野。
(一応3ヶ月以上という推奨はある)
思い切って、アスピリンにかえちゃおっかな、的な選択もありなのかもしれない。
ちなみに, このようなDVT患者の再発リスクファクターとして、
治療終了時のD-dimer ≥250µg/L, 患肢の色素沈着, 浮腫, 発赤,
BMI≥30, 65歳以上は再発リスクとなる.
女性ではRisk0-1でDVT再発1.6%/yrだが, Risk2以上ならば14.1%/yrとなる.
男性では当てはまらない. (CMAJ 2008;179:417-26)