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2012年5月24日木曜日

DVT、PEに対するワーファリン終了後はアスピリンで(2012/11/05 update)

WARFASA trial; 初回のunprovoked VTE患者402名の二重盲検化ランダム比較試験.
(N Engl J Med 2012;366:1959-67.)

 全患者で6-18ヶ月のワーファリン療法を施行され、その後,
 アスピリン 100mg/d vs Placeboに割り付け, 2年間フォロー.
 血栓症の再発リスクと出血リスクを比較.

結果は,

出血リスクを上昇させず、血栓症のリスクをNNT 20程度で低下させる(2年間で)

ASPIRE trial; WARFASAと同じデザインのDB-RCT.
 N=822で, 2-4年間投薬を継続し, 比較.
(NEJM 2012; online first, Low-Dose Aspirin for Preventing Recurrent Venous Thromboembolism)

ASPIRE trialの結果は,
Outcome
Placebo
Aspirin
HR
VTE再発
6.5%/y
4.8%/y
0.74[0.52-1.05]
 DVTのみ
3.8%/y
3.3%/y
0.86[0.56-1.33]
 PEのみ
2.7%/y
1.5%/y
0.57[0.32-1.02]
Major Vascular event
8.0%/y
5.2%/y
0.66[0.48-0.92]
出血
0.6%/y
1.1%/y
1.73[0.72-4.11]



VTE再発リスクはPlaceboと有意差は認められなかった.
リスクを低下させる傾向があるのみ.

ASPIREとWARFASA trialの結果をまとめると, 全体的にはリスク低下効果は認められる可能性が高いが, 今後の大規模Studyにて結果は左右される可能性があり, 要注意 


VTEの治療に際して、毎回ワーファリンはいつきるべき迷う状況。明確な治療期間も定まっていないこの分野。
(一応3ヶ月以上という推奨はある)

思い切って、アスピリンにかえちゃおっかな、的な選択もありなのかもしれない。

ちなみに, このようなDVT患者の再発リスクファクターとして、
 治療終了時のD-dimer ≥250µg/L, 患肢の色素沈着, 浮腫, 発赤,
 BMI≥30, 65歳以上は再発リスクとなる.
女性ではRisk0-1でDVT再発1.6%/yrだが, Risk2以上ならば14.1%/yrとなる.
男性では当てはまらない. (CMAJ 2008;179:417-26)