COVID-19に対するmRNAワクチン接種が始まっています.
外来で免疫抑制を行っている患者さんからの問い合わせも多いですし, 今後そのようなリスク患者さんへの接種も優先的に始まると思います.
さて, このような患者さんへのワクチン接種の反応性はどのようなものだろうか?
ということを報告した論文が出ましたので紹介します.
(Ann Rheum Dis 2021;0:1–6. doi:10.1136/annrheumdis-2021-220272)
42例の健常人と26例の慢性炎症性疾患患者(CID)におけるmRNAワクチンの効果を評価した報告(単一施設. ドイツのKiel Medical Centerにおける調査)
・抗体価(ELISA)をワクチン接種前と2回目接種 7日後に評価
・CID患者の大半がRA, SpA. 生物学的製剤使用者が多い
PSLは7名. 2.5-15mg/d
アウトカム
A: 両群のSARS-CoV-IgGの値(2回目接種後)
B: SARS-CoV-IgGの変化
C: 両群の中和活性(2回目接種後)
D: 中和活性の変化
E: 両群のSARS-CoV2-IgAの値
F: SARS-CoV2-IgAの変化
・抗体価は有意に健常人よりもCID患者で低いものの,十分に中和活性は認められる
・副作用も両者で同等. また, 疾患の再燃/増悪も無し
また, 参考までに膠原病患者へのCOVID-19ワクチン接種の際の薬剤の調節の提言
(American College of Rheumatology Guidance for COVID-19 Vaccination in Patients with Rheumatic and Musculoskeletal Diseases – Version 1)
>> 4月末のUpDateに置き換え(2021/5/6)
調節を考慮すべき薬剤のみ抜粋すると
・MTX, JAK阻害役はワクチン接種後, 可能ならば1wkあける
・MMFは前後1wkあける
・ABA SCはワクチン前後1wkあける IVの場合は, ABA投与後4wkあけて接種し, 接種後は1wkあける.
・IVCYはワクチン接種後1wkあける
・RTXの場合, 2回目の接種後, 2-4wkあけてRTXを使用する方が良い
・NSAIDやアセトアミノフェンは 接種前1日あける.