敗血症では診断してからなるべく早期(3時間以内, 可能ならば1時間以内)に抗菌薬を開始することが重要であるが,
2回目の抗菌薬もしっかりと遅れずに投与することが重要という報告がでた.
入院後はしばしば病棟の都合などで、0, 6, 12, 18時投与とか, 0, 8, 16時投与とか, 抗菌薬の投与時間が決まっており, ERに受診した時間やERで抗菌薬を投与した時間で, しばしば時間通りにいかないことも多い.
(American Journal of Emergency Medicine 46 (2021) 63–69)
5カ所のERにおいて, 2018年1月~12月に診療した患者で, 初回Abx IVはERで, さらに30h以内に2回目を投与された患者群を後ろ向きに評価した報告
・透析患者や肝硬変患者, 著明な肥満患者(BMI>40), 体重>120kg, <40kgは除外
・推奨された投与間隔(抗菌薬と腎機能)から>125%あけて投与された場合, 投与遅延症例と定義し, 投与遅延と死亡リスクの関連を評価した.
・患者は4907例. 2回目の投与が遅延した症例が21.1%
アウトカム:
・2回目抗菌薬の遅延は有意に院内死亡リスクを上昇させる・Boarding: ERに4h以上滞在してから入院する ことはリスク因子とはならない
抗菌薬遅延のリスク
・乳酸値が高い, 並存疾患が多い症例(Charlson Comorbidity Index), 外科患者, ERでの滞在時間が長い, ERからICUへいく症例では2回目抗菌薬投与までの時間が長くなりがち.