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2021年3月25日木曜日

予後不良群のGBS患者における2回目のIVIGの意義はあるか?

ギランバレー症候群; GBSの治療はIVIGが基本となるが,

初回IVIG後, 予後不良群における再投与の意義を評価したRCTが発表(SID-GBS)

SID-GBS: オランダにおける他施設DB-RCT.(Lancet Neurol 2021; 20: 275–83)

 GBSで初回IVIG(2g/kg, 5d)を行う患者を対象

 初回IVIG, Day 7-9の時点で予後不良と判断(modified Erasmus GBS Outcome Score≥6を満たす患者)された患者群を対象とし,

・Day 7-9d2回目のIVIG(2g/kg, 5d)を行う群 vs Placebo群に割付け, 神経予後を比較.

・mEGOSは年齢, 前駆症状として下痢があるかどうか, さらにMRC sumscoreで計算. 0-12点で評価

年齢

40
41-60
>60

0
1

2

4wk以内の下痢

あり

1

MRC sum score

51-60
41-50
31-40
0-30

0(0)
2(3)
4(6)
6(9)

(()内は入院7日目の評価)

MRC sum score: 6か所の筋肉 x 両側で計算
 肩関節外転, 肘関節屈曲, 手関節伸展股関節屈曲, 膝関節伸展, 足関節背屈

Medical Research Council sum score

0

筋収縮(-)

1

筋収縮(+), 運動(-)

2

運動あるが重力に抗して運動不可

3

重力に抗して運動可能

4

重力, 負荷に抗して運動可能

5

正常


母集団

アウトカム

26wkでのDisability scoreは両者で有意差を認めない
 他の指標も両者で変わらず.

合併症リスク
合併症は有意にIVIG再投与群で増加する結果

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予後不良のGBSにおけるIVIG再投与では, 神経予後の改善効果は乏しい。
副作用, 合併症リスクを上げてしまうだけになってしまう.