小児期の食物暴露が少ないほど食物アレルギーのリスクとなる
生後半年程度で色々な食事を食べさせると食物アレルギーリスクは低下するかも
でも紹介したように, 生後半年前後で色々食べさせると食物アレルギーリスクは低下する.
その国産のエビデンスが発表されたため, 紹介
(Lancet 2017; 389: 276–86)
PETIT trial: 日本国内の2施設で行われたDB-RCT.
・生後 4ー5ヶ月のアトピー性皮膚炎を有する乳児を対象とし, 鶏卵摂取群 vs 非摂取群に割付け, 生後12ヶ月まで継続.
鶏卵アレルギーのリスクを比較.
・鶏卵摂取群は加熱鶏卵をパウダー状にして, 6ー9ヶ月は50mg/d, 9-12ヶ月では250mg/dを摂取.
* 50mgあたり, 25mgの鶏卵タンパクを含有. 15分茹でた卵 0.2g分.
初回投与時と増量時は病院を受診し, 2時間の経過観察を行いつつ摂取.
・除外項目: 37週未満での出生, 鶏卵/鶏卵製品の摂取歴がある, 鶏卵に対して早期アレルギー反応の既往がある, 食品に対して非早期アレルギー反応の既往がある, 重症疾患を合併している患者
・アウトカムは12ヶ月におけるOral food challenge(OFC)で評価された鶏卵アレルギーの頻度を比較.
母集団のデータ
・StudyはN=200を予定していたがN=100時点での中間解析により有意差を認めたため, 途中で終了.
アウトカム
・鶏卵アレルギーは有意に摂取群で低下する結果
RR 0.221[0.090-0.543], NNT 3.40[2.30-6.52]
特異的Igの評価
・鶏卵摂取群では, 12ヶ月でのIgE値は低く, IgG, IgAは高い
副作用の頻度: 両者で有意差はない
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生後半年くらいから色々なものを食べさせ始める, というのは後のアレルギー予防にも大事なのであろう.
じんま疹やらアトピー性皮膚炎やら, リスクがある患者ほど嫌厭してしまいがちであるが, むしろそちらの方が, 少量から少しずつ増やすことで予防効果が期待できる.
NNT 3.4というのは, 超すごいということです.
じんま疹やらアトピー性皮膚炎やら, リスクがある患者ほど嫌厭してしまいがちであるが, むしろそちらの方が, 少量から少しずつ増やすことで予防効果が期待できる.
NNT 3.4というのは, 超すごいということです.