シェーグレン症候群の診断はAECGやACRクライテリア, 国内では厚生労働省の診断基準などがある.
詳しくはココを参照
診断に用いる症状, 所見はどの基準も重なっているが, 一部異なるところもある.
ACR/EULAR criteria 2016にて新たな診断スコアが提唱されたため, 紹介.
(Ann Rheum Dis 2017;76:9– 16. )
AECG, ACR criteriaより診断に有用な項目を抽出し, 専門家による重みづけ(MCDA)を経て項目を絞り, Development cohort, validation cohortにて各項目の有用性を評価
Development, validation cohortは以下の3つ前向きCohortを使用
・SICCA cohort(N=3514), Paris-Sud cohort(N=1011), OMRF cohort(N=837).
これらはpSSを疑う症状を持つ患者群を対象としたもの.
MCDAによる各項目の評価
診断に重要な項目として以下の5項目が抽出された,
・リンパ球性唾液腺炎(Focus score ≥1foci/4mm2): 3点
・抗SSA/SSB抗体陽性: 3点
・OSS≥5(van Bijsterveld ≥4): 1点
・シルマー試験 ≤5mm/5min: 1点
・非刺激唾液分泌 ≤0.1mL/min: 1点
補足: OSS, van Bijsterveld
(Ann Rheum Dis 2014;73:31–38.)
スコアのカットオフと感度, 特異度
・Criteria 4点以上では感度96%, 特異度89%,
5点以上では感度80%, 特異度98%でpSSを示唆する結果.
ちなみに厚生労働省の診断基準は以下の通り
・組織所見は同じ.
・口腔所見では唾液腺造影が含まれている.
唾液分泌量はガムテストやサクソンテストで評価している点が異なる
・眼所見ではシルマー試験のカットオフは同じであるが, van Bijsterveld scoreのカットオフが異なる(≥3点と≥4点). またシルマー試験のみではなく, 組み合わせでの判断のため, ACR/EULAR 2016よりも判定が厳しい。
・血清学的検査は同じ
これらの基準の1-4のうち2項目以上満たす場合に診断されるため, [1 and/or 4] + [2 and/or 3]の組み合わせと考えるとACR/EULAR 2016とほぼ同じ.
2+3のみだと2点であるため, ACR/EULAR 2016では満たさないことになる.