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2017年1月28日土曜日

CPA蘇生後の低体温の体温目標値は36度でOK

心肺蘇生後(Vf,VTのby standarあり)では低体温療法をおこなった方が神経機能予後改善効果, 死亡率低下効果を認めるとの報告が 2002年のNEJMで報告(NEJM 2002;346:549-56)

それから暫く蘇生後の低体温療法は盛んに行われていたが, Meta-analysisでは低体温療法をおこなった方が肺炎や敗血症リスクが上昇するとの結果も報告されている(Crit Care Med 2014; 42:231–242)

また, 
院内CPA症例26183例の後ろむきCohortにおいて, 低体温療法を施行した患者群と, Propensity scoreを合わせて抽出した患者群で予後を比較した報告では, 低体温療法を行わない方が予後が良い結果であった.
(JAMA. 2016;316(13):1375-1382. )
・低体温療法施行したのは1568例, そのうち1524例と, Control群3714例を比較.


目標体温として, 36度台(Normothermia)群と33度(Hypothermia)を比較した2つのRCT

TTM trial; 心臓由来と思われる院外CPA症例で自己心拍再開した950例を対象としたRCT.
(N Engl J Med 2013;369:2197-206.)
 蘇生後の低体温療法において, 目標体温を33度とする群 vs 36度とする群に割り付け, 予後を比較.
 患者は≥18yで院外CPA蘇生後の患者. 入院時のGCS <8を満たす群. CPAは心原性と推定されるCPAで, 初期波形は問わない.
 除外項目は, 蘇生〜割り付け時まで240分以上経過した例, 目撃例のないAsystoleのCPA, 頭蓋内出血やStrokeが疑われる例, 最初から体温が30度以下の例

低体温は28時間維持し, その後徐々に復温し, 最終的に36時間で中断するレジメ.

母集団;
初期波形は,
 VFが74-77%,
 脈無しVTが3-5%,
 Asystoleが12%,
 PEAが6-8%

両群の体温の推移


アウトカム;
 両群で死亡率や, 180日後の神経予後は有意差無し.
神経スコアの分布も両群で有意差無しという結論.

THAPCA trial: 院内CPAとなった小児症例(48h-18y)を対象としたRCT.
(N Engl J Med 2017;376:318-29.)
・蘇生後 低体温療法施行群(33度) vs 正常体温維持群(36.8度)に割り付け, 予後を比較.
・患者は48h-18yの小児で院内CPAとなり2分以内に蘇生が開始され, 蘇生後人工呼吸器管理となった群.
・除外項目はGCSのM 5-6, 蘇生後6h以内に割り付けできない患者, 活動性, 難治性の出血, もともと余命12ヶ月未満, 侵襲的治療を希望されない患者.
・33度群では, 33度[32-34]を48h継続し, その後16hかけて復温. 36.8度[26.0-37.5]で合計120時間維持.
 36.8度群では, この体温を120時間維持する.

StudyはN=329の時点で低体温療法が無益であることが指摘され中断となった.

母集団
・波形は小児例であり, VF, VTは少なく10%のみ.
 徐脈, PEAが多い

アウトカム
・神経予後, 生命予後は両者で有意差はない

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・蘇生後の低体温療法有用性は懐疑的となってきている.
・また, 行うならば33度とする必要性は乏しく, 正常体温を保つマネージメントでも十分と考えられる. 
・蘇生後は中枢性の高体温などで発熱しやすいため, その点に気をつけるというのが現時点での印象.
 今後の報告では低体温療法や”正常体温維持療法” 自体過去のものとなるのかもしれない.

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