JAMA. 2015;314(24):2641-2653.
胸膜癒着術において, NSAIDは成功率を低下させるとの指摘があり, またチューブサイズは小さい方が疼痛が少ないとされているが, 実際のところは不明.
TIME I trial : 癌性胸膜炎で, 胸膜癒着が必要とする患者群を対象としたRCT
症候性の悪性胸水貯留があり, 癒着術を予定されている患者群 320例
そのうち,
・胸腔鏡を施行された206例において, 24Fの胸腔ドレーンを留置し, NSAID群 vs Opioid群に割り付け,
・胸腔鏡を行わなかった114例において, 以下の4群に割り付け
24Fチューブ + Opioid群(モルヒネ 10-20mg x 4回/日)
24Fチューブ + NSAID群(イブプロフェン800mg x 3回/日)
12Fチューブ + Opioid群
12Fチューブ + NSAID群
・チューブ留置中の疼痛(VAS)と, 3ヶ月後の癒着術成功率を比較した.
・全患者でアセトアミノフェン 4g/dを併用している
母集団データ
アウトカム
・チューブ留置中の疼痛は有意に12Fチューブの方が少ない結果.
NSAIDとOpioidで有意差はないが, レスキュー使用頻度はよりNSAID群で多い(38.1% vs 26.3%, RR2.1[1.3-3.4])
・3ヶ月後の胸膜癒着術成功率は, チューブのサイズ, NSAID, Opioidの使用で差はない結果
二次アウトカム
胸膜癒着の鎮痛剤ではNSAIDは避けるべきと言われてはいるが, 効果には差はなさそう.
チューブは細いので十分. でもたまにドレナージがうまく行かないこともある...