大血管を侵す血管炎の1つであり, 特に有名なのは側頭動脈炎.
この診断には生検がGold standardであるが、近年エコーや、造影MRIなどによる診断も行われている。
そして、生検が困難で、MRIもエコーでも診断が難しい、、、、という例でPET/CTによる検査が有用との報告が出てきている。
では、PET/CTでどのような評価を行えば良いのか?
GCA患者18例(ステロイド未投与 12例)とControl群(炎症性疾患, 動脈硬化性疾患, 健常人)でPET/CTを評価. (Medicine 94(37):e1542)
Control群の内訳
・炎症性疾患群: 不明熱でPET/CTを施行したGCA以外の患者18例
・炎症性疾患群: 不明熱でPET/CTを施行したGCA以外の患者18例
・動脈硬化性疾患群: 動脈硬化でVascular calcification score >2を満たす19例
・健常人 16例.
PET/CTの評価項目は
・肉眼評価: 第一印象(1a), 肝臓との取り込みの差(1b)
・半定量的評価:
・肉眼評価: 第一印象(1a), 肝臓との取り込みの差(1b)
・半定量的評価:
大動脈のSUVmax(2a),
SUVmaxの大動脈-肝臓比(2b)
SUVmaxの大動脈-上大静脈比(2c),
SUVmaxの大動脈-下大静脈比(2d)
(standard uptake value :SUV)
アウトカム:
肉眼所見による評価
所見(取り込み)
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感度(%)
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特異度(%)
vs. 炎症性 |
特異度(%)
vs. 動脈硬化 |
特異度(%)
vs. 健常人 |
血管 = 肝臓
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100%
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67%
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37%
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50%
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びまん性に血管 = 肝臓
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89%(100%)
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88%
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79%
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75%
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血管 > 肝臓
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83%(92%)
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94%
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79%
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75%
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びまん性に血管 > 肝臓
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67%(83%)
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100%
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95%
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100%
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肉眼所見において、血管が肝臓よりも取り込みが亢進していれば有意と考える
各指標のカットオフと感度、特異度
半定量の評価で最も診断能が高いのはSUVmax 大動脈−肝臓比 ≥1.03
ステロイド未投与群では感度 92%、特異度92%と良好。
ステロイド投与群では大動脈のSUVmax ≥3.58が有用な所見と言える