(JAMA. 2015;314(12):1242-1254. )
・興奮症状はClinical Global Impressions-Severity agitation score ≥4で定義
・ADはMMSE 8-28の患者群
上記患者群を
Dextromethrophan-Quinidine群 vs Placeboに3:4で割り付け5wk継続(stage 1)
その後Placebo群はさらに治療群 vs Placebo群に割り付け5wk継続(stage 2).
その後Placebo群はさらに治療群 vs Placebo群に割り付け5wk継続(stage 2).
Dextromethrophan: メジコン®,
Quinidine: キニジン®
初期は20mg/10mgを1日1回朝. 2−3wkで1日2回 朝夕へ増量.
その後30mg/10mgを1日2回朝夕で維持.
レスキューとしてロラゼパム経口投与(1.5mg/d)を使用
初期は20mg/10mgを1日1回朝. 2−3wkで1日2回 朝夕へ増量.
その後30mg/10mgを1日2回朝夕で維持.
レスキューとしてロラゼパム経口投与(1.5mg/d)を使用
キニジン®は粉末を0.01gで10mg. 通常使用量の10−40分の1程度
メジコン®は1T 15mgであり、4錠分2と普段使用する量程度。
メジコン®は1T 15mgであり、4錠分2と普段使用する量程度。
アウトカム
治療群で有意に興奮症状の改善が認められる
副作用で多いものは(治療群 vs プラセボ)
転倒 8.6% vs 3.9%
下痢 5.9% vs 3.1%
尿路感染症 5.3% vs 3.9%
ふらつき 4.6% vs 2.4%
下痢 5.9% vs 3.1%
尿路感染症 5.3% vs 3.9%
ふらつき 4.6% vs 2.4%
メジコン®は普段よく使用する薬剤の1つ(鎮咳薬として)。あまり過鎮静となる印象も無い。
キニジン®は抗不整脈薬であり、普段使用しないが、このStudyでの使用量は1回10mg程度。キニジン®は1錠100mgであり、2−4錠ほど使用することを考えると、その量は10−40分の1という少なさ。
認知症に伴う、興奮症状に対する薬剤としては非定型抗精神病薬やSSRIなどの抗うつ薬を使用することが多いが、高齢者への使用で問題となるのが過鎮静。
その点この合剤はそのリスクが低いのかもしれない。そのうち合剤で発売されるでしょうが、メジコン®とキニジンの粉末を使用すれば現時点でもできなくはない。