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2014年7月24日木曜日

Atypical Diabetes Mellitus

Atypical DM 非定型糖尿病 CMAJ 2014;186:678-684

DMは4タイプに分類される
 Type 1 DM: 自己免疫機序によるβ細胞の破壊
 Type 2 DM: 多因子によるインスリン感受性の低下
 Gestational DM: 妊娠に関連して発症したDM
 その他 → Atypical DMであり, あまり詳しく定義されていない分野.


Atypical DMは肥満やHT, HLが無いのに耐糖能障害があるパターンや, latent autoimmune DMと呼ばれる成人発症のインスリン依存性DM, 2型DMの要素があるが, ケトーシスを容易に合併する症例, Monogenic DM(maturity-onset DM of the young or MODY)等が含まれる.

各タイプのDMの特徴

Monogenic DM
Monogenic DM, MODYは全DMの1-2%を占める.
 HNF1A(MODY 3), Glucokinase(MODY 2)の遺伝子異常により, 解糖系酵素やβ細胞の糖感受性, 代謝を障害する.
 インスリンの分泌能の低下を認めるが, 枯渇までは無い.
 また抗インスリン抗体やβ細胞に対する自己抗体は認めない.
HNF1A: hepatocyte nuclear factor 1 homeobox A
臨床特徴
Labの特徴
常染色体優性遺伝.
3世代以上のDMを認める.
浸透率も高い.
ヨーロッパで多い.
BMIは25未満. 若年発症(<25y)
ケトアシドーシスは稀
インスリン感受性は亢進
SU剤に反応良好
食後高血糖が主.
大血管, 小血管障害は1型DMと同等
β細胞の機能低下が進行すると,
空腹時血糖も高くなる
C-ペプチドは検出される
TGも正常
HDL-Cholも正常〜上昇
高感度CRPは低値
腎の尿糖閾値は低下し,
血糖>142mg/dLで尿糖(+)
75gOGTTでGlu>54mg/dL上昇
早期では空腹時血糖<100mg/dL
Monogenic DMの診断
 TGが正常であり, OGTTで著明にGluが上昇する反応, 尿糖閾値の低下はMonogenic DMを示唆するが, 決定的ではない.
 1型 likeなDMの割には自己抗体が陰性もMonogenic DMを示唆する.
 他には家族歴, 発症年齢が大事.

治療の第一選択はSU剤となる.
遺伝子カウンセリングも大事.

Ketosis-prone DM
典型的なType 1 DMではないのにDKAを生じるタイプ
 通常DKAはインスリンの枯渇により生じるため, DKAを来す患者では大抵がType 1 DMでインスリン導入となるが, 中には入院中にインスリン分泌能が改善し, 導入の必要が無い患者もいる.
 このような患者群では長期間のフォローで, インスリン枯渇(増悪)と分泌正常(寛解)を行き来する症例がある.
 寛解期には軽度の高血糖のみか, 薬剤を必要としなくなるレベルまで改善.

Ketosis-prone DMには以下で分類: AB分類
 islet cellに対する自己抗体をもつかどうか(A+ or A-)
 インスリン枯渇, 寛解を繰り返すかどうか(B+ or B-)
 A+B-, A-B-は継続的にインスリン枯渇するため, type 1に類似した病態
 A+B+, A-B+は増悪寛解を繰り返すため, type 2 DMとして扱われることが多い

A-B+がketosis-prone DMの50%を占める.
 肥満患者が多く, type 2 DMの経過で, DKAを来す.
 誘因のないDKAで, Islet cell抗体が陰性, 頻回にインスリン依存性となるのが特徴.
 早期では半数がインスリン非依存性のまま経過するが, 10年間で60%がインスリン依存性へ進行.
臨床特徴
Labの特徴
誘因の無いDKAを来す.
DKA時にDMが診断されることもある
Afro-Caribbean, Hispanicで多い.
インスリン非依存性と依存性±DKAの期間がある
Type 2 DM-likeな要素が多い
(肥満, 耐糖能障害, Metabolic syndrome)
β細胞機能の変動でHbA1cもバラツく
DKAを来たす患者群では男性が多い(2.6:1)
初期治療としてインスリンが推奨される
β細胞抗体は28%で陽性
C-ペプチドはDKA時には低値.
その後は>60%で改善する.
空腹時C-ペプチド(nmol/L)/glu(mmol/L) >11はインスリン中断可能を示唆.
Type 1 DMのHLAパターンならば1-2年で
インスリン依存性となる

Latent Autoimmune DM in Adults(LADA) J Clin Endocrinol Metab 2009;94:4635-44
Slowly Progressive Insulin Dependent DM (SPIDDM)やLatent Autoimmune Diabetes (LADA)と呼ばれる.
 Type2 DMとして発症し, 進行性のβ-cell不全を認める病態
 数年でIDDMへ進行する. 発症年齢は40-60yr頃.
 Glutamic acid decarboxylase(GAD)抗体, Islet-cell(ICA)抗体, Tyrosine phosphatase-like protein IA-2(IA-2A)抗体が陽性.
 Type 2 DMの11%にICA抗体(+)を認め, (-)群と比較してSU剤への反応性低下が早期に認められる.

 発症初期のSU剤の使用により, β-cell不全が進むことが分かっている
 早期のInsulin導入にてβ-cell機能は有意に保たれる (HR 0.153[0.055-0.342])
(J Clin Endocrinol Metab2008;93:2115-21)

LADAは全DM中2-12%を占める.
 典型的なLADA患者はAge>35yrで非肥満体形
 初期のDMは食事療法でコントロールできている.
 発症後数か月~数年と短期間で増悪し, 内服, インスリン治療が必要となる
 体重減少, ケトン陽性, C-peptideの低下を認めやすい.

LADA Criteria (Diabetes Society)
 発症年齢>=30yr
 Type 1 DMで認める4つの自己抗体中, 1つ以上陽性 (ICA, GAD65, IA-2A, Insulin)
 診断後6か月はインスリン導入されていない
 小児例で年齢以外は上記LADA Criteriaを満たす症例も報告されており, 定義は今後変わる可能性が高い.
臨床特徴
Labの特徴
年齢>30歳で発症
肥満はあるが, Type 2 DM程の肥満ではない
軽度〜中等度のインスリン抵抗性がある
様々な人種で認められる
インスリン依存性までの期間は,
type 1程短期間ではなく, type 2ほど長くもない
β細胞刺激作用のある薬剤は避ける(SU剤等)
経口血糖降下薬から開始してもよいが,
コントロール不良ならば早期にインスリンを導入
GAD, ICA抗体は陽性
インスリン抗体も陽性が多い
成人発症Type 1 DMと抗体は似ている.
CMAJ 2014;186:678-684

GAD抗体はインスリン依存の予測因子となる
UKPDS 25; Type 2 DM 3672名にICA, GAD抗体測定し, 評価
(Lancet 1997;350:1288-93)
診断時年齢別の抗体陽性率
Antibody
25-34yr
35-44yr
45-54yr
55-65yr
両方 Neg
65%
84%
89%
91%
ICA (+)
21%
9%
6%
4%
GAD抗体(+)
34%
14%
9%
7%
両方 Pog
20%
7%
3%
2%
GAD抗体(+), ICA(+)はInsulin導入のRisk因子となる
 =<44yr群で GAD抗体(+); OR 13.4[5.28-34.0]
 >=45yr群で GAD抗体(+); OR 5.62[3.23-9.80]
 ICA(+); OR 5.12[3.23-10.40]

GAD抗体陽性では他の自己抗体陽性の頻度も高い
Ehime study; >20yrのDM患者 4980名にGAD抗体を測定し, 評価.
(Diabetes Care 2002;25:995-1001)
 3.8%でGAD抗体(+), その内 38.3%がInsulin導入, 51.6%が非導入
 発症年齢は其々, 41.2yr(13.8), 51.3yr(12.3)
他の自己抗体出現頻度
Antibodies
GAD抗体(+)
Control
TPO antibodies
35.0%
11.6%
TG antibodies
39.5%
16.3%
Parietal cell antibodies
8.3%
2.1%
Pituitary antibodies
1.3%
2.6%
Any antibodies
49.0%
23.2%

LADAとtype 1 DMの自己抗体
最近の知見では, LADAとType 1 DMの自己抗体は異なる.
 Type 1 DMでは, ICA, GAD, IA-2A, IAAに対する自己抗体の他, Zinc transporter(ZnT8)に対する抗体を認めることが多く, Type 1 DM患者では複数の抗体を認めることが多い.
 LADAにおける自己抗体はGAD, ICAに対する抗体が多く, IA-2A, IAA, ZnT8に対する抗体は少ない.
 GAD抗体のIgG4 subclassはLADA > Type 1 DM.
複数の自己抗体陽性となる割合

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