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2012年6月12日火曜日

術中のトランサミンは輸血を減らす

手術患者に対するTranexamic acid vs Controlを比較した

129 RCTs(N=10488)のMeta-analysis  BMJ 2012;344:e3054
輸血必要症例, 各血栓症のリスクを評価.

結果は,
Outcome
All trials
Well concealed trials
Adequate blinding
輸血 リスク
0.62[0.58-0.65]
0.68[0.62-0.74]
0.63[0.59-0.68]
MIリスク
0.68[0.42-1.09]
0.70[0.39-1.25]
0.59[0.36-0.98]
Strokeリスク
1.14[0.65-2.00]
1.18[0.36-3.83]
1.14[0.65-2.00]
DVTリスク
0.86[0.53-1.39]
0.92[0.45-1.85]
0.82[0.46-1.44]
PEリスク
0.61[0.25-1.47]
0.52[0.10-2.75]
0.70[0.26-1.87]
死亡リスク
0.61[0.38-0.98]
0.67[0.33-1.34]
0.61[0.38-0.98]

とトランサミンの投与は血栓症リスクを上げずに輸血リスクを低下させる。
より良いデザインのstudyのみの解析でも同等の数値がでている。

だが, 小規模Studyが多く、Funnel Plotをみてみると、
トランサミンに有利なStudyがより多く報告されているように解釈できる。

他の消化管出血に対するトランサミンや、外傷に対するトランサミンのStudyでも、
基本的には輸血は減らし得るという結果がでていることから、
おそらくは術中投与でも輸血を減らすことは可能なのであろう。

ただし、出版されているTrialはトランサミン優位に傾いているため、
実際のRRは0.8-0.9程度と見積もるべきかもしれない