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2021年9月26日日曜日

塩分代替食品と心血管アウトカム

塩分代替食品とは, NaClにKClを一部置き換えて, Na摂取量を減らすために使用する塩.

国内では味の素の やさしお®がある. やさしお®は50%がKClに置き換えられている.


塩分代替食品が, 心血管アウトカムにどうつながるかを評価したCluster-RCT.

(N Engl J Med 2021;385:1067-77.)


中国におけるCluster RCT.
地方の600箇所の村を対象.

・対象患者は60歳以上またはStrokeの既往がある高血圧患者


 (降圧薬使用中の患者ではsBP≥140, 未治療では ≥160mmHg)

・K負荷を制限する必要がある病態やK保持性利尿薬使用, K製剤使用, 重大な腎疾患がある患者は除外


食塩代替食品(NaCl 75%, KCl 25%含有)を使用する村と
 

 通常の食塩を使用する村に割り付け, 5年間のStrokeリスクを比較


 (参考: やさしお®は50%がKCl)

・フォロー中のルーチンの腎機能評価は行っていない


両群における血圧とNa排泄量の比較

・sBPやNa排泄は低下し, K排泄は増加

臨床アウトカム

・脳出血リスクは有意に低下. それによる死亡リスクも低下


・非致死的ACSリスクも低下する

・重大な高K血症リスクは両者有意差認めず: OR 1.04[0.80-1.37]

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高K血症のリスクがなければ, 塩分制限の方法として塩分代替食品の使用は有用といえる