GCAではトシリズマブ(TCZ)が効果的であるが,
その後のPET/CTによる血管の取り込み所見は, 臨床所見と乖離することがある.
(臨床的に改善しているが, 取り込みは残存しているなど.)
どのような長期経過となるのか?
TCZ開始後のPET/CTの経過
(Rheumatology 2021;60:4384–4389)
・GCAでTCZを開始した25例を前向きにフォロー.
・開始前後, フォローでPET/CTを評価し, PETVAS*を評価した
*PETVASとは?
・PETVASは動脈の取り込みを評価し, 合計したもの;
大動脈4区画: 上行, 弓部, 胸部, 腹部
分岐動脈5本: 腕頭A, 左右頸A, 左右鎖骨下A の合計9区画で,
>肝臓 3pt, =肝臓 2pt, <肝臓 1pt, 取り込みなし0ptで評価.
合計 0-27pt
・GCA 30例, TAK 26例, 比較対象群 59例(高脂血症35例, LVV mimic 17例, 健常人7例)における評価では,
活動性の血管炎では有意にPETVASは高値となり(21.5 vs 12.2)
さらに長期間(~15M)のフォローにおいて, PETVAS ≥20は感度68%[50-83], 特異度71%[58-82]で再燃を示唆する.
PETVAS ≥20群の臨床的再燃率は45%(vs 11%)
また, TAKよりもGCAの方が高値となりやすい
(Arthritis Rheumatol. 2018 March ; 70(3): 439–449.)
TCZ開始後のPETVASの経過:
・TCZ開始後, 6ヶ月でPETVAS<20となり, その後2年間は徐々に低下する経過となる
TCZ中止した6例中5例でその後PETVASは増悪
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GCAに対するTCZでは, 早期にPETVAS<20にはなりそうなものの,
その後数年かけて徐々にPETVASは低下する経過となる.
その間PETで取り込みがあってもよい ということ