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2021年9月2日木曜日

その症状は, 潜在性甲状腺機能低下症なのか?

(The American Journal of Medicine (2021) 134:11151126)

臨床上よく遭遇するSubclinical Hypothyroid.

不定愁訴でも認められることがあるが, その症状は果たしてSubclinical hypoのせいと言っていいのか?

デンマークにおける3つのCohortより, 8903例を評価.

・このうちSubclinical hypothyroidは376例であり,


 Euthyroidの7619例と甲状腺関連症状を比較


 (疲労感や皮膚乾燥, 気分変動, 便秘, 動悸, 呼吸苦, 嚥下困難, 脱毛・・・など)

・Subclinical hypo, Overt Hypoの定義

 顕性甲状腺機能低下症(Overt hypo): TSH>3.6mU/L, fT4<9.8pmol/L

 潜在性甲状腺機能低下症(Subclinical hypo): TSH >3.6で顕性甲状腺機能を満たさない

 甲状腺機能正常(Euthyroid): TSH 0.4-3.6


アウトカム

各種症状はSubclinical hypoとEuthyroidで差は認めず.


年齢別の評価


・若い人ほど倦怠感や
気分変動が多い
(甲状腺に関係なく)

・高齢者では呼吸苦が若干増

TSH別の比較

・Euthyroid, Subclinical hypoの範疇では,
TSHの値別でも症状の頻度は変わらない. 

併存症の有無が
症状に関連する

・Subclinical hypoも
Euthyroidも同じ

各要素と症状への関連

・女性は倦怠感が多く,

 ≤60歳は倦怠感, 気分変動, 落ち着かなさに関連する

 肥満や喫煙は呼吸苦に関連

 併存症(+)は各種症状との関連がある.


症状と背景疾患のリスク


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さまざまな症状をSubclinical hypoが原因としてはいけない, という戒め.