Subcutaneous vs. intravenous G-CSF for the treatment of neutropenia in hospitalized hemato-oncological patients: randomized controlled trial. Am J Hematol 2013.
血液癌患者に対する化学療法にて好中球減少となった患者を対象としたopan-label RCT (感染の有無は問わない)
Filgrastim(グラン®) 5µg/kg/d 皮下注 vs IV群に割り付け, 好中球改善までの期間を比較.(Neu>500/µlが3日連続).
投与のタイミングはAML, 骨髄移植患者ではChemo終了後7日目より, MM, Lymphomaでは2日目より投与.
初回化学療法の次のクールでは, SC群, IV群を入れ替えて比較した.
予定人数は310名であったが, N=120の時点でStudyは中断.
母集団;
アウトカム;
初回のみの解析,
初回, 2回目の化学療法をあわせた解析双方で有意に皮下注群の方が好中球減少の改善が早い.
原疾患別の評価では, リンパ腫, MM, 骨髄移植群でのみ有意差がでているが, どれも短期間となる傾向がありそう.
臨床的アウトカムは両者で有意差無し.
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G-CSFを好中球減少に対して投与する際は皮下注射の方がより好中球増加までの期間は短縮される可能性がある.
健常人を対象として, Filgrastimの投与量, 投与経路で血中濃度を比較したStudyでは, Clin Pharmacokinet 2009;48:817-826
投与量別ではそこまで大きな差はないが,
皮下注射と静注では血中濃度の持続の面で大きく差がでる.
G-CSFはより血中濃度を高い状態で保った方が血球は作られやすいことは想像に難くなく, したがって投与経路は皮下注の方がより良いと考えられる.