EFが保たれた心不全であるHFpEF(LVEF>40%)の薬物治療については, 現在のところ予後を改善させるデータは得られていない.
そんな中, 予後を改善させる結果がSGLT-2iであるEmpagliflozin(ジャディアンス®)で得られた
(N Engl J Med 2021;385:1451-61.)
EMPEROR-Preserved: Empagliflozin(ジャディアンス®)
・NYHA II-IV, EF>40%を満たす心不全患者で, さらにNT-proBNP>300pg/mL, Af患者では>900pg/mLを満たす患者を対象としたDB-RCT.
・Empagliflozin 10mg/d vs Placebo群に割り付け, 心血管死亡, 心不全入院リスク等を比較した.
患者群データ:
・年齢は7-80代が主.
・NYHA IIが8割, IIIが2割弱
・BMIは30弱と肥満患者が多い.
アウトカム
・HF入院+心血管死亡 複合アウトカムは有意に Empagliflozinで低下.
・単独で見ると, HF入院リスクが有意に低下する
心血管死亡リスクは有意差なし
・eGFRの低下速度も緩徐になる
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感想
・海外のSGLT-2iのStudyの母集団は肥満多すぎ
・アジア人, 日本人高齢者でのデータ欲しい