GCA診断, 特に側頭動脈炎の診断において動脈エコーは有用であるが,
その治療経過でどのように変化するかはあまり分かっていない.
・動脈エコーのHaloが, GC開始後2-4wkで消失するとされるが, そのまま残存する報告もある.
表在の側頭動脈よりも, 腋窩動脈のHaloのほうが消失しやすいとの報告も
残存しているからといって, 治療経過が不良という判断にはならない.
(Rheumatology 2021;60:2528–2536)
といった記載もある.
動脈エコーにおけるHalo signの経過を評価したCohort;
USにより診断されたGCA症例49例を前向きにフォロー
(Ann Rheum Dis 2021;80:1475–1482.)
・患者はACR 1990, 修正ACR分類基準を満たしたGCA患者で, 側頭動脈または腋窩動脈にエコーにてHaloが認められた患者群を対象.
さらに過去15日以上の高用量GC治療(PSL≥30mg/dL)を受けていない患者
・治療開始後に側頭動脈(TA)と腋窩動脈(AX)のエコー所見を経時的にフォロー
Haloを認める区域と最大Haloの厚(内膜〜中膜の厚み)を記録
エコーはwk 1, 3, 6, 12, 以降は3M毎にフォローされた.
・エコーは8箇所の区域で評価:
両側の総側頭動脈, 頭頂枝, 前頭枝, 腋窩動脈
壁肥厚は長軸像で評価し, 最大部位を計測
母集団
・患者の多く(77%)がTAに所見があり, Clanial GCAが95.9%を占める
アウトカム: Haloを認める部位やHalo厚は治療開始後1wkで有意に減少.
・しかしながら, 側頭動脈でのみ速やかに反応があり,
腋窩動脈では有意差を認めるのは治療開始後6wkで, 最大のHalo厚の減少が認められる程度.