(Ann Rheum Dis 2021;80:1393–1399.)
2003-2019年に診療したRA患者で, HBVの評価が行われた1937例を評価.
・このうち489例がresolved hepatitis B(RHB; HBs-Ag陰性, HBc-Ab陽性)で, bDMARDが使用された.
・67828 pt-monthのフォローにおいて, 上記のうち27例(5.5%)でHBs-Agが陽性化(reverse seroconversion: RS)
Incidence 0.04/100pt-Month
・このうち18例はRTX, 6例がABA, 2例がADA, 1例がETN
・免疫抑制療法開始〜RSまでは131[20-196]ヶ月
bDMARD開始〜RSまでは90[10-174]ヶ月
・10年間で2.4%, 16年間で11.3%でRSを生じる
HBs RSのリスク因子は,
RTX使用 RSのHR 87.8[11.5-669.7]
ABA使用 HR 60.6[7.0-525.2]
・HBs抗体陰性 HR 5.2[2.2-12.0]
・HBs抗体価が低値
・複数のbDMARDを使用している患者もリスク因子となる(HR 4.57), ただし, 多変量解析では有意差なし
TNF-α阻害薬との比較.
・ABAとRTXはTNF-α阻害薬と比較して, 有意にHBVのRSリスクを増加させる
TCZはTNF-α阻害薬と同等
使用bDMARDとHBs抗体価によるHBV RSのリスク分類
・ABAでもHBs抗体が低ければ, RTXと同等のHBV再活性化のリスクあると考えるべき.