造影剤腎症
造影剤腎症; 造影CTに対するNAC投与による腎症予防効果
結局のところ, ごちゃごちゃありますが, 現時点ではリスクがある患者(CKDや糖尿病やら高齢者, 心不全やら)では補液しておけ、という感じです.
その補液の有用性も, 実際確立されたものではないです.
そんななか, Kompus trialが発表
補液無し vs 重炭酸Naによる補液を比較したRCT: Kompas
(JAMA Intern Med. 2020;180(4):533-541. )
・造影CTを予定しているStage 3のCKD患者を対象とし, 撮影前に補液無しとする群と, 250mLの1.4% Sodium bicarbonateを1時間で投与する群に割付け, その後のAKIリスクを比較したRCT.
(Bicarbonateの量は以前のRCTでNSと予防効果が同等である報告より)
・患者はeGFR 30-44mL/min/1.73m2を満たすか,
eGFR 45-59mL/min/1.73m2 且つ 糖尿病, または以下の2項目を満たす群を対象.
> PAD, CHF, >75歳, 造影剤使用量>150mL, 腎毒性がある薬剤を使用(利尿薬, NSAID, Cyclosporin, Tacrolimus, 抗ウイルス薬, Amp B, アミノグリコシド, シスプラチン, VCM)
・除外項目: eGFR≤30, <18歳, 妊婦, 造影剤アレルギー, 3年以内の腎移植, 血行動態不安定, 過去7日~未来5日までにStudy以外の造影剤を使用する予定がある患者
母集団
アウトカム
・造影CT後2-5日, 7-14日における腎機能低下は両群で有意差なし
・造影剤後AKI(2-5日におけるCr 25%以上, 0.5mg/dLの増加)も有意差無し
・長期予後も有意差認めず
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G3のCKD患者における造影CTでは特に予防的補液をしても造影剤腎症の予防効果は認められない.
結局,
予防的補液
→ NACやらBicarbonateやらもいいかも
→ 結局補液じゃん ときて
→ 結局要らなくね? になるのだろうか.