参考:
Streptococcus bovisによる心内膜炎と大腸腫瘍
後者のリンクより, 大腸腫瘍はS. bovisによるIEの64.2%, EnterococcusによるIEの25%で認められるという報告がある(Eur J Clin Microbiol Infect Dis (2015) 34:1657–1665).
さらにコホートで頻度を調査した報告を紹介
スペインの35施設のCohort(GAMES cohort)のデータを後ろ向きに解析
・EnterococcusによるIEが515例, このうちEnterococcus faecalisによるIE症例が 467例, さらに411例でCF施行歴あり.
・菌のEntryが不明が272例, 判明しているのが195例
判明している症例ではUTIが4割, 血管感染が3割, 胆道系が2割弱
・411例のうち, さらにIEエピソードと同時期にCFを施行したのが142例(34.5%)
Focus判明群で42例(42/195:21.5%), 不明群で100例(100/272:36.8%)
FocusによるCF施行率の差としては, 胆道感染例ではCFを施行した例はいない
このうち, 大腸腫瘍(Advanced adenoma, Colorectal Ca)は21例(14.8%)で認められた.
・Focusの有無にかかわらず, 両群より大腸腫瘍は検出されている.
・Enterococcus faecalis IEにおける大腸腫瘍合併の頻度は4.5%(21/467)~14.8%程度の可能性
胆道感染例では評価していないため不明. それ以外のFocusが考えられる場合も大腸腫瘍が隠れている可能性はあり. 注意が必要.