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2021年1月13日水曜日

ベーチェット病の診断に大腿静脈壁厚の評価は有用

 BD患者では下肢静脈(CFV)壁肥厚が認められる報告がある.

これを受けて, BD 152, AS 27, 全身性血管炎 23(高安病23, GPA 5), 静脈不全 29, APS 43, 非炎症性機序のDVT 25, Control51例において, 総大腿静脈壁厚をエコーにて評価した.

(Rheumatology (Oxford). 2021 Jan 5;60(1):288-296.)

・エコーは疾患をBlindされた放射線科医により評価.

 8-12MHzLinear transducerを用いて評価

 前壁は反響アーチファクトで表面が不整となる可能性があるため後壁の厚を評価した. 評価部位は伏在静脈分岐部から2cm尾側で評価

 2回評価し, 平均値で比較した.

・BD症例では58.6%(89)で主要臓器障害あり: 血管が82, 眼が30, 神経が12, 消化管が5.

患者群のデータ

CFV厚の分布

・BDでは有意にCFV厚が厚い

CFV厚のCutoffと感度, 特異度

・Cutoff ≥0.5mmとするとBDの鑑別に有用.

・BD以外ではAPSは比較的CFV厚が肥厚する例が多く注意.

BDにおけるCFV厚の分布

BD患者でCFV<0.5mmなのは1割程度.

 ≥1.00mmとなるのも1割程度であるが, 特異性は高い.