2003年から2012年におけるEnterococcus菌血症症例を前向きに評価.
(Clin Infect Dis 2015; 60:528–35. )
・Enterococcus菌血症におけるIE合併率は4.29%であった.
Enterococcus菌血症におけるIE合併 vs 非合併例の比較
・原因菌はE. faecalisが86%をしめる.
ついでE. faeciumが11%
IE合併例 vs 非合併例の比較より, IEのリスク因子を抽出し, スコアを作成.
・リスク因子は, 血液培養 3セット陽性, 感染巣が不明, 弁疾患の既往, 心雑音ありの4項目. これらよりNOVAスコアを作成
NOVA <4ptではIE症例はない.
・5ptでは23.3%, 6ptでは45.5%, 7ptでは82.4%, 8ptでは66.7%, 9ptでは60%, 10ptでは100%, 11ptでは83.3%, 12ptでは80%.
これより, Enterococcus菌血症の場合, NOVAスコアを評価し, 4pt以上ならばTTEやTEEを考慮すべきと言える.
このNOVAスコアをE. faecalis菌血症症例のみでValidationした報告
(Clinical Infectious Diseases® 2016;63(6):771–5)
Entrerococcus菌血症におけるIE合併率は5.7%
E. faecalisでは13.3%とE. faecalisではIEリスクが高い.
E. faecalis菌血症でNOVAスコアを評価したValidation.
・このStudyではNOVAスコアを一部変更しており, 血液培養陽性を2/2セット陽性と定義し, 5点としている.(このStudy母集団の半数以上が3セット採取していないため)
・また, E. faecalis菌血症の定義も1セットのみ陽性で定義されている.
E. faecalis菌血症 647例において, IE合併は78例(12%)
・NOVAスコアが評価できたのは240例(心エコー結果がある患者).
変更NOVAスコア <4では, IEは2/40例のみ. ≥4では76/200.
・感度 97%, 特異度 23%でIEを予測する結果.
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Enterococcus菌血症では, 特にE. faecalisでIEリスクは高い.
・E. faecalisが2セット陽性ならばIE評価を行うべき.
1セットのみでも, 弁膜症既往や人工弁, Entry不明な菌血症などあり, NOVA ≥4ptならばIEを評価する.
・E. facialではリスクは低く, NOVAスコア ≥4ptでIEの評価を行う.