(Chest. 2021 Jan;159(1):58-72.)
CAPで入院管理となった成人患者を対象としたCohortであるGLIMPの二次解析.
・ACAP(Aspiration CAP)症例 193例
CAP/AspRF+ (CAPで誤嚥リスク因子あり) 1709例
CAP/AspRF- (CAPで誤嚥リスク因子なし) 704例 に分類し, 起因菌を比較.
・ACAPは主治医の判断で, 誤嚥があったと見なした際症例で定義
・重症CAPは入院後24h以内のICU管理, 人工呼吸器管理, カテコラミン使用で定義
・AspRFは以下の要素で評価:
神経疾患: 脳卒中, 認知症, 精神疾患
慢性の介入: 経管栄養, 気管切開, 在宅酸素, PPI使用
背景疾患/状態: 肝硬変, るいそう, 施設入所, 寝たきり, 集団生活
患者因子: 高齢者, 男性
多くの患者が2つ以上のリスク因子を有する.
重症度, ACAP, AspRF別の起因菌の頻度
・重症のACAPのみ, Gram陰性菌の割合が高く, Gram陽性菌は少ない
・ACAPでは嫌気性菌も認めるが, ほぼ重症例に限る.
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誤嚥性肺炎では, 嫌気性菌の頻度はそんなに高くはなく, 必ずしも嫌気カバーは必須ではないということ.
重症例ではカバーしておいたほうがよいかもしれない.