菊池病についてはこちらも参照
Validationされてないので, 適応には注意! ですが, 参考になると思ったので紹介
Intern Med J. 2020 Sep 8. doi: 10.1111/imj.15042. Online ahead of print. A clinical scoring approach for detection of histiocytic necrotizing lymphadenitis in adults
その前に, ちょうど最近 発熱外来からこのような相談がありました.
20台の男性で, 1週間前から40度の発熱が持続. 特に局所症状はなく倦怠感程度.
右頚部リンパ節は腫大. 触知する.
血液検査ではWBC 3100(Neu 50.6%, Ly37.5%), CRP 0.56mg/dL, LDH 470 IU/L.
他の血球現象や肝胆道系酵素上昇など異常所見は認めず.
パッと聞いた感じでは菊池病っぽいなぁ、と思いました.
そんな状況で上記論文を見つけたのでチェック.
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18歳以上, リンパ節腫大があり, リンパ節生検を施行, 組織より診断が為された患者1194例を後ろ向きに解析
・このうち, 32例でHNL(histiocytic necrotizing lymphoadenitis, 菊池病)を診断.
・HNLを示唆する所見, 検査を評価, clinical scoreを作成した.
HNL群, 非HNL群の比較では,
・HNL群ではより若年: 29±11歳 vs 57±16歳
・発熱を認める患者, 頚部リンパ節腫大を認める患者, WBCが低値, 好中球が低めとなる.
・LDHは上昇する例が多いが, 値は300~500程度.
HNLに関連する因子よりスコアを作成
・発熱 3点
・頚部リンパ節腫大 2点
・WBC低下(<4000/µL) 2点
・好中球<50% 1点
・LDH>300 U/L 2点
スコアカットオフ 4点以上で, 感度90%, 特異度87%でNHLを示唆
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冒頭の症例で計算すると, 9点. 好中球以外を満たす. 好中球も50%と惜しいライン
年齢も20代で菊池病らしいと言える.
ただやはり悪性リンパ腫は心配であるが, 経過からもまずは対象療法でよさそうではある.
このClinical scoreはValidationが未なので、適応には注意したいが, 注目するポイントとしては有用と思う