皮膚へ腫瘍細胞浸潤を認めることで定義され, 様々な皮膚症状が含まれる.
・しばしば白血病の初発症状として認められ,
骨髄や末梢血に腫瘍細胞が出現する前に皮膚病変を認める(<10%).
・皮膚に生じるmyeloid sarcomaやmonoblastic sarcomaも含まれる.
・AML以外に, CML, MDSなど慢性骨髄増殖性疾患も原因となり, この場合, 皮膚病変の出現は急性白血転化を疑う.
MDSでは, LC以外にLeucocytoclastic vasculitisや異形細胞の浸潤といった他の皮膚所見もあるがLCは急性転化を示唆する所見であり, 特に予後が悪い.
また, リンパ球性白血病やリンパ腫の皮膚病変もLCに含まれる.
(Journal of Investigative Dermatology (2015) 135, 2321–2324)
(Am J Clin Pathol 2008;129:130-142)
Leukemia cutisを合併しうる血液腫瘍
(Am J Clin Pathol 2008;129:130-142)
LCはAMLの10-15%で認められる
・慢性骨髄増殖性疾患では合併率は少ない.
・AMLでもタイプにより合併率は異なり, AMMoL(M4)やAMoL(M5)では50%と多い.
・リンパ球性白血病では, CLL/SLLが4-20%, T細胞性白血病では20-70%と頻度が高い.
・一方でPrecursor B, T-cell lymphoblastic leukemia/lymphomaでは1%と稀.
・また, 形質細胞性骨髄腫でも稀.
(Am J Clin Pathol 2008;129:130-142)
LCの臨床所見
単発性, 多発性の皮膚病変で, 多いタイプはスミレ色, 赤褐色, 出血性の丘疹, 結節, 斑状の病変となる. サイズは様々.
(JDDG;2012 10:27–36)
・部位は下肢が多く, 次いで上肢, 背部, 胸部, 頭部, 顔面
・過去に炎症があった部位に腫瘍細胞の浸潤も認めやすい.
(Am J Clin Pathol 2008;129:130-142)
(JDDG;2012 10:27–36)
LCの組織所見
・腫瘍細胞が血管周囲や皮膚附属器周囲に集積している所見や, びまん性に間質に浸潤している所見, 結節状に浸潤している所見が得られる.
・稀ながら間質表層に分布することもある
(Am J Clin Pathol 2008;129:130-142)
細胞免疫染色所見からのLCの原因鑑別フローチャート
(Am J Clin Pathol 2008;129:130-142)